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まるで旭日旗…椎名林檎ファンの光景が波紋。「ヘルプマーク」グッズで炎上の過去と“共通している点”

まるで旭日旗…椎名林檎ファンの光景が波紋

椎名林檎

画像は椎名林檎公式TikTokより

 8月15、16日に開催されたライジングサンロックフェスティバルに17年ぶりに出演した椎名林檎。しかし、ファンが旭日旗のようなデザインのミニフラッグを振る様子が映し出され、波紋が広がっています。  SNS上では、“戦時中の出征の旗振りにしか見えない”とか、“極右の台頭が懸念される世界情勢において、洒落では済まなくなっている”といった批判的な意見が多く見受けられました。  一方で、“椎名林檎は2008年ごろから旭日旗をモチーフにしたグッズを発表しているのだから、何を今さら騒いでいるのか”とか、“そもそも旭日旗は大漁旗のデザインとしても用いられるめでたいもの”など、取り立てて問題にするほどのことではないといった声もありました。
椎名林檎

2018年に販売されたミニフラッグ/公式サイトより

 また椎名林檎本人は今回のステージでは旭日旗デザインのフラッグを持っていなかったことから、熱心なファンの一部が自主的に旗を振ったというのが事の真相のようです。  しかしながら、国際的に戦時の記憶を呼び起こすいわくつきのデザインを自らのファングッズに採用すること自体、世論に対する挑発的な意図が込められていることも確かでしょう。

思い出される国粋主義的な歌詞、「ヘルプマーク」グッズの過去

 今回の旭日旗に限らず、サッカーワールドカップのテーマソング「NIPPON」での国粋主義的な歌詞や、障害や持病のある人達にとっては重要なサインである「ヘルプマーク」をパロディにしてグッズ化するのも、椎名林檎というアーティストの性格を如実に表しているのです。

炎上した改訂前のアルバム特典グッズ(画像:ユニバーサルミュージック 販売ページより)

 では、そういう傾向を持つ椎名林檎とそのファンが旭日旗を振ることが、一部の人達が心配するように日本の社会にとって脅威を与え得るのでしょうか?  筆者の考えは、NOです。  筆者自身、過去に椎名林檎については批判的な記事を書いてきました。「NIPPON」の批評では、死と愛国心を安易に結びつけるのは危ういということ。そして赤十字のヘルプマークグッズでの対応では、国際的かつ社会的な赤十字というシンボルの意義を踏まえずに、デザインのみを都合よく引用する浅はかさについて指摘しました。
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椎名林檎のユニークさを際立たせる“表現活動の弱み”とは?
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音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。X: @TakayukiIshigu4

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