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“1円パチンコ”を打つ高齢者を狙う闇金の卑劣な手口。「年金手帳と銀行通帳を担保として預かる」と話す業者も

 4円台は打つ余裕もないが1円台ならば――高齢者たちのささやかな娯楽の裏で、闇金業者が“年金暮らしの財布”を狙っていた。「5000円渡して、1週間後に1万円返せ」。老後の現実を食い物にする彼らの手口とは。

5000円を渡され、1週間後に1万円返済

[1円パチンコ闇金]の卑劣な手口

取材に応じてくれたAさん。運送関係の自営業をしていたが60代で引退。年金だけで生活しているという。「2回目以降は利息を低くしてくれたんだよ」

 パチンコ店を覗くと、1円パチンコにずらりと並ぶのは白髪頭の高齢者ばかり。 「ほぼ毎日来るね。ここに来れば友達もいるから。タバコ吸って、おしゃべりしてると、6時間くらいすぐたっちゃう」 「年金生活だから、一日2000円だけね。嫁さんに朝、おにぎり作ってもらって来るの。パチンコ店に行って、家庭菜園で採れた野菜や果物を友達と物々交換するんだけど、それがすごく助かってるよ」  埼玉県某所のパチンコ店で高齢者に話を聞くと、こう返ってきた。パチンコが脳の活性化になる――そんな健康的な遊びであれば問題ない。  だが昨今、気になる動きがある。それは1円パチンコを打つ高齢者専門にカネを貸す闇金が存在するというのだ。  このパチンコ店にやってきたのは、証言者が待ち合わせ場所に指定してきたからだ。 「最近、物価が高くなっちゃったのに、年金受給額は上がらないから生活が厳しくなった。パチンコ友達にボヤいてたら、金融屋を紹介してくれたんだ。電話したら店まで来てくれて、1万円希望したら『1週間後に返済』って言われ、5000円だけ渡されたよ。年金支給日まで一日500円でなんとか食いつないで、ちゃんと返したよ」  そう話してくれたのは1円パチンコにほぼ毎日通うAさん(72歳)だ。闇金の場合、ほとんどが利息は先に引かれるとAさんは言う。

1万8000円を10日で3万円として返済

[1円パチンコ闇金]の卑劣な手口

1円パチンコ店はどこも高齢者でいっぱいだ(写真はイメージです)

 もう一人、千葉県内で取材に応じてくれたのは、76歳のBさんだ。 「ほぼ毎日、『即日融資』とか『簡単審査で月1回返済』なんていうショートメールがスマホに届くんだよ。ある日、年金支給日の直前で手持ちが全くないときに全部スっちゃって、その日の飯も食えない。インフレで生活ができなくなっちゃったから、その携帯番号にかけてみたのよ」  電話先の男からは個人情報や収入と年金支給日、なぜお金を借りたいのか、希望融資金額などを聞かれたという。 「3万円貸してほしいって答えたら、折り返し『審査が通ったので振込先を教えて』と連絡があったんだけど、ATMに行ったら入金額が1万8000円だったの。事務手数料が4000円で、先に利息の8000円が引かれてた。10日後に3万円を返すという約束で、ちゃんと返したよ。緊急連絡先として兄の連絡先を教えたんだけど、返さなかったら兄に迷惑がかかるんだろうなと思った」  融通も利いて気軽に借りられてありがたいとAさん、Bさんは話す。だが、相手はれっきとした闇金だ。
[1円パチンコ闇金]の卑劣な手口

「リーチアウト」編集長・成田雅光氏

 詐欺や消費者問題の被害者救済サイト「リーチアウト」編集長の成田雅光氏は言う。 「昨今、無差別DMから返信してきた高齢者をLINEに誘導して貸し付けるケースも増えています。闇金は、保証人を立てる場合でも、名前と連絡先を教えるだけで、事前に連絡することもなく、賃借契約書を紙で締結するわけでもないので、借りる側は気軽なのでしょう」  連絡する高齢者の多くは1円パチンコユーザーだ。しかし、返済後もしつこく営業電話をかけてきたり、返せなかったら本人や保証人は追い込まれてしまうという。 「悪徳なところでは、お金を返しても『個人情報を晒すぞ』と脅し、追加で金銭を要求するケースもあります。高齢者はつけ込まれやすいので、絶対、利用すべきではない」
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3人に貸して1人が飛んでも儲かる仕組み
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