特殊清掃業者が明かす“生前整理”の悲しい依頼「病気で入院が決まって、もう家に帰るのは無理だから…」
いま、高齢化社会により「終活」が話題になっている。人生の終末期をどう過ごすか準備をする活動のことだ。特殊清掃業者には、終活の手伝いとして生前整理の依頼がくることもあるという。
都内を中心にさまざまな現場で特殊清掃を手がけるブルークリーン株式会社で働きながら、特殊清掃の実態を伝える登録者5万3000人以上のYouTubeチャンネル「特殊清掃チャンネル」を運営している鈴木亮太さんに、終活に伴う生前整理の依頼について話を聞いた。
生前整理の依頼を受けても、なかなか作業が進まないといった状況になることがある。
「まだ元気な方からの依頼だったのですが、家財などの物を捨てる作業中でも、“これはまだ使えるかもしれないから”といった理由で取っておいた結果、あまり片付かない……みたいなケースは数多くあります。
その他に、悲しい依頼内容としては、もともと住んでいた方の入院が決まって、病状がひどく、もう家に帰って普通の暮らしに戻ることは無理だろうと。そのため、本当に必要最低限のもの以外は片付けてほしいといった依頼です」
地域包括センターからも直接依頼がくることがあるという。
「一軒家に一人暮らしのおばあさんが老人ホームに移るから、家の物を片付けて、引っ越しの準備を手伝ってくれと。老人ホームに持っていける物って結構限られていて、タンスひとつに入る分の洋服とか生活衛生道具だけ持っていくケースがほとんどなんです。その場合、家にある物すべてを整理する感じになります。
ただ、ここで問題になるのが、家の持ち主は入院中で病院の外に出られず、僕たちの片付けに立ち会えないことです。そういう場合は、地域包括センターのスタッフさんやケアマネージャーに代理で立ち会ってもらったり、作業日ごとに終わった後の写真を撮ってメールで報告したりします」
このような家は、子供や孫など引き継ぐ人がいなかったりするという。
「親族がいれば立ち会ってもらえるんですが……。親族がいれば、整理せずにそのまま相続するとか、リフォームして引っ越して住むみたいなこともできます。でも老人ホームに行かれるような方の家って、“ゴミ屋敷”状態になっちゃってるケースが多いんですよ。高齢の方は病気になると元気がなくなってくるので、今までは掃除をしてキレイな状態を維持できていたのが、ゴミ捨てもできなくなってしまう。本人は終活とかも意識していないので、ぐちゃぐちゃなことが多いです」
少しややこしくなるのが、家の持ち主が認知症を患っている場合だという。
「親族の方がいれば話は早いのですが、いない場合は成年後見人を立てなくてはならず、弁護士や行政書士などを挟まなくてはいけません。そこにつけこむ“悪徳業者”もいます。家の持ち主が現場に立ち会えないのをいいことに、出てきた金目の物はみんなで分け合うなどのやり方をしている業者もいるようで、注意しなくてはなりません。認知症だから、どこに何があったのか覚えていないからと、舐めてかかってる業者も少なくありません」
まれに、心が痛くなる依頼が当人からくることもある。
「依頼主が病気で入院し、誰にも迷惑をかけたくないからすべて片付けてほしいという内容です。3LDKくらいの分譲マンションに住んでいた方なんですけども、一人用の狭いマンションに引っ越すので、ベッド、タンス、冷蔵庫、テレビ、洗濯機などの生活必需品以外は一切合切片付けてほしいと。入院をするつもりはないが、もう癌で余命が決まっていて、人に迷惑をかけるわけにはいかないから自分で先にやっておくということですね。そういう場合、うちでは買い取れそうな物は換金し、依頼主にお返しするというやり方をさせてもらってます」
悲しい依頼の背景「入院が決まって、もう家に帰るのは無理だから」

※写真はイメージです
金品を山分けする“悪徳業者”が存在
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(公社)日本ペストコントロール協会認証技能師。1992年、東京都大田区生まれ。地元の進学校を卒業後、様々な業種を経験し、孤独死・災害現場復旧のリーディングカンパニーである「ブルークリーン」の創業に参画。これまで官公庁から五つ星ホテルまで、さまざまな取引先から依頼を受け、現場作業を実施した経験を基に、YouTubeチャンネル「BLUE CLEAN【公式】」にて特殊清掃現場のリアルを配信中!趣味はプロレス観戦
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