更新日:2025年11月19日 18:07
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フワちゃん「プロレスで活動再開」に立ちはだかる“ふたつの壁”。封印した“才能”こそ最大の武器だった?

 女子プロレス団体「スターダム」への入団を発表したフワちゃん。プロレスラーとして再起を図る彼女をめぐって議論が二分しています。

本当にプロレスラーとしてやっていけるのか?

 ここでは論点を2つに絞って考えたいと思います。  まず、本当にプロレスラーとしてやっていけるのか?  言うまでもなく、プロレスは肉体をぶつけ合う激しい格闘技です。体を鍛えるのはもちろんのこと、事故や怪我を防ぐための技術を身に付けなければなりません。  ネット上では、プロレスラーとしてのフワちゃんの本気度を疑問視する声も少なくありません。かつてスポット参戦した際にラリアットを食らって首からマットに落ちる動画に、“脳震盪を起こしそう”とか、“いや、脳震盪よりも頚椎が心配になる”といった否定的なコメントが多く寄せられたのです。  しかし、一方で同業者や熱心なプロレスファンからは、“きちんとダメージを逃しつつ、相手の技を派手に見せている”、上手すぎる受け身だとの反論も。  女子プロレス界のレジェンド、ジャガー横田氏も自身のYouTubeチャンネルで「受け身はしっかりしてたんだよ、ちゃんと取れてました。やっぱり基本は受け身だから」と語り、フワちゃんの基本技術に太鼓判を押していました。  両者の意見を比較すると、少なくともフワちゃんが選手としてプロのリングにあがることに何ら問題はない、という結論に落ち着きそうです。

フワちゃんは圧倒的なヒールになれる!?

 そこで、もう一つの問題が生じます。それは、レスラーとしての立ち位置です。  スターダムの社長が、「本人は全くプロレスを軽く見ていない」と語ったことからもわかる通り、フワちゃんのプロレス転向は、炎上騒動からの再起を賭けるストーリーになります。  なので、プロレスラーフワちゃんは、善玉、ベビーフェイスとして売り出すのだろうと考えるのが自然です。  しかしながら、フワちゃんがタレントとして絶頂を極めたのは、鋭い悪口のセンスでした。彼女がひな壇トークで輝きを放ったのは、共演者の弱点を的確にえぐっていく、言葉の反射神経の鋭さだったはずです。  つまり、プロレスにおいて、フワちゃんは圧倒的なヒールになれる可能性を持つ逸材なのですね。それは試合後のマイクパフォーマンスだけでもお金が取れるほどの才能だと言ってもいいでしょう。  にもかかわらず、今回のプロレスデビューに際して、そのコンセプトを封印してしまった感が否めないのです。  確かにこれ以上世論を刺激したくない思惑もあったのでしょう。けど、やっぱりもったいないよなぁ、と思ってしまいます。  今後ヒール的な側面も顔をのぞかせる展開もあるかもしれませんが、デビュー戦のインパクトを考えると、その決断はどう出るでしょうか?
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プロレスが「ゴシップ」として消費されてしまう懸念も
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音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4

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