7月発売なのに「9月号」って、どういうこと?
雑誌の月号表記って、だいたい実際の発売日より先の表示になってるものだ。7月発売なのに「9月号」だったり、かく言うSPA!も1週間先の日付になっている。
「これは業界の自主ルールで、週刊誌は発売日から15日先まで。月2回刊誌や旬刊誌は1か月先まで。月刊誌は16日発売以降のものは2か月先までの表記ができることになっています」(日本雑誌協会)
もちろん7月発売で「7月号」としてもいいのだが、「それはほとんどありませんね」とのこと。では、なぜ先の日付にするのかというと、「ひとつは編集内容の季節先取り感を出すため。それから、発売日が製造年月日だとしたら、月号というのは一種の賞味期限のようなものなので、少しでも新鮮さを出したい、と。あと、沖縄なんかは今でも船で運んでいるので約1週間遅れる。そういうのも加味して先の日付になってるんです」。
なるほどねー。でも、たとえば10月にクリスマス特集みたいな先取りしすぎもマヌケな気が……。
「そうですね。ファッション誌とかならいいんでしょうけど、ジャンルによっては、読者の方から『9月号を買ったのに9月発売のゲームソフトの情報が載ってない!』といったクレームが来ることも。ちなみに、昭和30年代後半から40年代の創刊ラッシュの頃には”先付け競争”というのがあって、ひどいのになると半年先の日付もあったと聞いています(笑)」
そうなるともう、新しいんだか古いんだかわかりませんな~。
取材・文/石島律子 漆原直行 昌谷大介
イラスト/カネシゲタカシ
― ジャンル別[表示の読み方](得)辞典【14】 ―
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