「足に合う靴」を選んでいるつもりが、実は体を壊しているかも? あなたの靴選びは大丈夫?
―[シューフィッター佐藤靖青]―
「自分の足のサイズは26.5cm」「スニーカーなら歩きやすい」「高い靴ほど健康にいい」。そう信じて疑わない人は多いだろう。だが、その“常識”こそが、足の痛みや膝・腰の不調、慢性的な疲労感を引き起こしているかもしれない。2万人以上の足に触れ、「予約の取れないシューフィッター」として知られる佐藤靖青氏は、こう断言する。「多くの人は、靴選びを根本から間違えています」。
佐藤氏は著書『予約の取れないシューフィッターが教える正しい靴の選びかた』で、靴業界の“売りやすさ”と消費者の“思い込み”が生んだ構造的な問題を、現場目線で明らかにしてきた。その主張は、YouTube番組「さらばのこの本ダレが書いとんねん!」《#198前編》(ゲスト:佐藤靖青)でも大きな反響を呼んでいる。番組内では「3時間3万6000円のアテンド料」「歩き方を見る」「足を触る」「買い物に同行する」といった具体的な仕事の中身が語られ、「日本人のかかとは小さいから靴が合わないことが多い」という指摘が、視聴者の強い共感を集めた。今回は、多くの一般人が勘違いしている靴選びのポイントを軸に、佐藤靖青にじっくり話を聞いた。

佐藤靖青(さとう・せいしょう)
1976年北海道室蘭市生まれ。大学卒業後、渡英。イギリス・ノーサンプトンのトレシャム・インスティチュート・フットウェアカレッジにて靴の設計を学ぶ。帰国後、国内の靴企業に就職し10年間にサンプル作成などの靴設計に従事。30歳のときに靴修理の大手チェーン店に転職、現場の最前線でリペアに従事。リペアしてもすぐに壊れる靴に疑問を抱き、靴と足のフィッティングの重要性に気づく。2011年に一般社団法人「足と靴と健康協議会」のシューフィッターの資格を取得。以来、2万人超の足と靴のフィッティングをこなし、日本発の「プロシューズアドバイザー」として独立。現在は靴の買い物アテンドや、オンライン相談のかたわらYouTubeとブログで靴と足についての情報を発信している
シューフィッター・佐藤靖青が暴く“靴選びの常識
佐藤:かなり誤解されていますね。確かに「日本人は幅広甲高」という言葉は広く流布していますが、私が2万人もの足を見てきた実感では、日本人の最大の特徴はそこではありません。日本人の足は、圧倒的に“かかとが小さい”。これが一番のポイントです。つま先が広くても、甲が高くても、かかとが小さい。見下ろすと逆三角形のような形になる人が非常に多い。これは性別や年齢をほとんど問いません。ところが、市場に出回っている靴の多くは、かかとが大きめに作られています。理由は単純で、そのほうが作りやすく、売りやすいからです。かかとを小さく絞る靴は、製造工程で手間がかかり、コストも上がる。大量生産には向かない。結果として、かかとが合わず、足が靴の中で動き、靴ずれや疲労、姿勢の崩れを引き起こす。「幅が合わない」のではなく、「かかとが合っていない」のに、誰もそこを見ていないんです。
「日常的に履くならスニーカー」の勘違い

『予約の取れないシューフィッターが教える正しい靴の選びかた』(扶桑社新書)
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『予約の取れないシューフィッターが教える正しい靴の選びかた』 その靴、スニーカー痛くなりますよ! 2万人の足にさわってわかったこと
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