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好決算で急騰した株は「もう遅い」? 億超え投資家が追う“窓開け株”3選

7月後半~8月は多くの企業が第一四半期の決算発表を迎えるシーズンでもある。好決算を発表した銘柄のなかには株価が+10~20%上がるものも少なくない。「好決算で値上がっただけでなく、決算を境に市場の評価が大きく変化する銘柄を見つけ出して投資すべき」と話すのは資産億超えの個人投資家結喜たろう氏だ。億超え投資家が現在の決算で見ている銘柄とは?
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写真はイメージです

資産億超えの個人投資家の結喜たろう氏。株式や為替を20年以上取引し、リーマン・ショックやアベノミクス相場も乗りこなしてきた。その投資手法は、市場にとって話題になる大きなテーマから銘柄を絞り込み、決算発表から好業績が見込まれる株を売買するという至極堅実な方法だ。7月後半から8月にかけては3月期企業が第一四半期の決算発表を迎えているが結喜氏はどのように見ているのだろうか。 「決算発表シーズンになると、好決算の内容を受けて翌日に+10~20%と急騰する銘柄が出てきます。今回も好決算や業績予想の上方修正を受けて株価が大きく上昇した銘柄が相次ぎました。もちろん、決算翌日に急騰したからといって売買するのはリスクがあるので要注意。高値掴みになる可能性もあります。しかし、私は決算をきっかけに株価水準が切り上がった銘柄は観察すべき価値があると考えます」 そこで結喜氏がポイントに挙げるのがチャートの「窓」である。窓とは前日の株価の高値とその日の安値の間にできる隙間のこと。急激な値動きがあり売買が行われなかった価格帯ができる現象である。好決算が出た銘柄には「窓」を作り、日足で価格帯が重ならないままに株価が上がることがよくみられる。 「チャートに窓ができた銘柄は、決算を境に企業に対する市場の評価が大きく変化したとも言えます。ただ、窓があいたからといって、その後も株価が強く上昇していくわけではありません。今後の利益増加に継続性があるのか、通期業績や今後の需要が堅いか、急騰後も市場の評価は維持されるのかを見なければいけない。ここまで見ないと単なる一時的な急騰株を掴んでしまう可能性があるのです」 セオリーではチャートにできた窓はその価格変動を戻して「埋まる」とされている。しかし、需要が大きかったり、株価の勢いが強い場合にはその限りではない。そのポイントを見極めるのが株式投資では重要になるのだ。

次の決算まで期待が続く強い株価の銘柄とは?

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今回、7月末から8月上旬にかけて明確に上方向に窓をあけたのは10銘柄ほどあるという。 「ただ、単に決算発表が良かったから、というだけで売買する銘柄を選んでも再現性がありません。次の決算発表まで業績への期待が続き、強い株価推移を期待できそうな銘柄を選ぶのが大切です。好決算と一口に言っても業種業態によって、その後の株価への影響も変わってきます」 そこで結喜氏が有力候補として選んだのはスマホ向けの表面実装機で世界トップのFUJI(東P・6134)だ。 「FUJIは電子部品実装のロボットで需要が高水準で推移しています。AIやサーバー関連の需要が増しているのが背景です。会社側の通期予想も、受注、売上、営業利益の見通しを引き上げている。第一四半期の利益だけでなく、受注高や受注残も増加しているのが一つ特徴です。今回の決算後にできた窓の値幅を前日高値に対する割合(%)で比較すると窓は+4%と比較的小さいものになりました。好決算で株価は上昇しましたが、決算内容を一気に織り込んだか、これから更に評価が進むのかは見極めたいところです」
FUJI(6134)

FUJI(6134)

さらに結喜氏は、エヌビディアやインテルに向けて高性能なICパッケージ基板を手掛けるイビデン(東P・4062)にも着目している。 「AI需要の拡大で画像や映像の計算を並列処理で行うGPUや、ハイエンドのプログラム計算を行うCPUの需要が堅調。イビデン側はAIサーバーだけでなく、汎用サーバーやスイッチICの需要拡大も見込んでいます。決算説明会では『需要そのものが業界全体の供給能力を上回る状況が続く』との説明もありました。決算後の窓は+16%の伸びと大きくなっています。ただ、株価は決算前からかなり調整していました」
イビデン(4062)

イビデン(4062)

決算前後の一連の動きについて結喜氏は「大幅な株価調整のあと、業績の強さが改めて評価されたと見るべき」と語る。そして、AI・半導体関連とは別に窓を大きくあけたのがリクルートHD(東P・6098)だ 「リクルートも第一四半期の業績が大きく伸びました。特にHRテクノロジー事業ではマネタイゼーションや収益効率の改善が進んでいますし、総額3500億円を上限とする自己株式の取得も進めています。業績だけでなく、株主還元の面からでも評価されているのがポイント。決算後の窓は+19%でした。よい業績の会社だからすぐ買うのではなく、好決算でこれだけ大きく窓をあけたので、短期的な押し目を待つのも必要かと思います」
リクルートHD(6098)

リクルートHD(6098)

今回の結喜氏が注目する3銘柄。単発の紹介で終わらせずに2週間後に改めて、株価を観察して「好決算で窓をあけたあと、どうなった?」を検証する。窓を埋めずに上昇するのか、窓まで下落して再び上昇するのか、それとも窓を埋めて下落して失速するのかを見る予定だ。株価が上昇しても下落しても学べることは多いもの。「好決算+窓あけトレード」がどのように機能するのか、今後の株価にも注目である。 構成/上野智(まてい社)
個人投資家・一級建築士/工学修士 建築設計事務所勤務を経て独立。 空間建築デザイン業務と並行しながら、個別株を中心に資産運用を実践。不況により事業が厳しい状況に追い込まれる中、趣味で続けていた投資が経営の立て直しに大きく貢献し、億トレーダーの仲間入りを果たす。個人投資家グループや証券会社などからの講演依頼も多く、四半期成長率を重視した銘柄選定と、チャート分析に基づく論理的な売買手法に定評がある。著書『四半期成長率とチャート分析』(パンローリング社刊)は2024年ブルベア大賞を受賞。ラジオNIKKEI『きらめきの発想』準レギュラー。 パンローリング主催『ファクター分析投資スクール』担当講師。 X(旧Twitter):@tarouyuuki0322
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