「味噌汁にもカツ丼にも入れるんです」パリで人気の居酒屋店主が明かす、フランス人の“トンデモない日本食の食べ方”
空前の日本食ブームに沸くフランス。日本食レストランはフランス全土で4000店以上、パリ市内だけでも700店超にのぼる。いまやパリ市内における外国料理では、イタリアンに次ぐ第2位の規模だ。
しかし、正しい食べ方まで浸透しているとは限らない。日本人からすると思いもよらない“トンデモない食べ方”をする人も多いという。

一体、どんな食べ方をするのか。箸などのマナーはどうなのか。パリで人気の日本食チェーン・じんちゃん食堂、じんちゃん横丁(Instagram:@jinchanizakaya)を経営する、カカス・ミヨさんに話を聞いた。

――日本人が二度見するような、フランス人ならではの衝撃的な食べ方はありますか。
カカスさん(以下、同):醤油が好きすぎて、なんでもかけてしまうことですね。「醤油を入れたら全部おいしくなる」と信じていて、スタッフに「醤油ください」と頼む方が多いんです。
とんかつソースがかかっているカツ丼にもかけるし、味噌汁にも醤油を入れます。たまにスタッフが止めに入るレベルですね。
あと、日本は箸で人を指さない、箸をご飯に刺さないといったマナーが浸透していますよね。フランスでは料理を待っている間に、箸でコップを叩いてドラムみたいに鳴らす方もいます。
――そもそも、フランス人は箸を使えるのですか?
箸そのものは頑張って使ってくれます。「スプーンいりますか?」と聞いても、「いらない」と。ここは日本人ならスプーンを使うよね、と思うシーンでも、お米一粒ずつ、意地でも箸で食べようとします。
もちろん、中には箸を使わない方もいます。ただ、「口で噛みついてから皿に戻す」という習慣がないので、丼ものでも、フォークとナイフを使って、カツや唐揚げをドンブリの上で小さく切ろうとしていますね。
ちなみに、手で持ってかぶりつく習慣もないので、どら焼きはスプーンを使って、クレープのように食べています。
――他にもフランス人の反応で、ショックを受けたことはありましたか。
味噌汁とご飯を一緒に出されるのを、嫌がられることです。フランス料理は前菜・メイン・デザートの順番なので、彼らとしては、味噌汁をまず「アントレ(前菜のスープ)」として先に出してほしいんだとか。
7年前のオープン当初は、現地の中華系オーナーが経営する日本食風レストランで「味噌汁は前菜として最初に出てくるもの」と覚えてしまったフランス人が多かったんです。
あの時は「日本ではメインと一緒に飲むものだから」と説明しても難色を示されて、苦労しました。今では本格的な日本食レストランが増えてきたこともあって、理解されつつあります。

――フランス人の注文の仕方で、驚くことはありますか。
チキンカツ丼を食べて美味しかったからと、食後に追加でもう一杯頼んだ方がいました。わりとボリュームがあるのに、です。
他にも、唐揚げ丼と単品の唐揚げを頼んだり、サーモン丼と一緒にサーモンの刺身を頼んだり。好きなものを徹底的に楽しむ方が多いですね。
常連さんも、毎回同じものしか頼みません。コロナ禍のロックダウン中にUber Eatsの注文履歴を見たら、あるお客さんが週5でサーモン丼を頼んでいて、利用回数が何百回にもなっていました(笑)。
――さすがに、団体のお客さんの注文の仕方は……。
同じです。10人くらいのグループで、いつも全員「サーモン味噌焼き丼」を注文する常連さんがいます。フランスには、料理をシェアする文化がないんです。自分が好きなメニューがあったら、とことんそれだけを頼むスタイル。
食後のデザートでも、文化の違いを感じます。その10人グループに「デザートはどうしますか?」と聞くと、たとえ頼むのが1人でも、周りに遠慮せずに注文していますね。ほかの9人を待たせることになっても……。

――お酒の飲み方でも、違いを感じることはありますか。
お酒の頼み方は豪快ですね。日本では日本酒といえばとっくりやグラスで少しずつ飲みますが、フランス人はワインと同じ感覚。だから、3〜4人のグループで頼むなら、ボトルなんです。
夜の22時半でも、ガッツリ丼ものを食べながら、日本酒をボトルで楽しむ方たちがわりといます。あんまり酔っぱらわないから、お酒が強いな、と思いますね(笑)

カカス・ミヨさん
「醤油を入れたら、全部おいしくなると思ってる」衝撃的な食べ方

フランスでもだいぶ広まってきた「味噌汁」。でも、フランス人が食べる順番は……
「週5でサーモン丼、10人同じものを頼む」好きなメニューは徹底的に食す

看板メニューとも言える「チキンカツ丼」。最も注文が多いメニューのひとつなんだとか

団体客お気に入りの「サーモンみそ焼き丼」。フランスでは珍しく鮭そぼろがのっている
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ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother
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