インドネシアで日本人駐在員の妻を狙った“3つの市場”が活況のわけ
市場が飽和状態の日本を抜け出し、海外で外貨を獲得するべきと考える人や企業は多い。そんな背景もあってか、外務省の「海外在留邦人数調査統計」によると、海外に住む日本人は年々増加しており、最新の調査では約130万人が海外で生活している。
日本人が多く住む都市では、中国人街のように、日本人村が形成され、立派な市場となっている。
たとえば、東南アジア中心部に位置するインドネシア。人口約2億5000万人の市場を狙って、多くの日系企業が進出しており、在留邦人の数も約1万8000人とそれなりの規模となっている。
その大半が首都、ジャカルタに滞在。駐在員には家族もついてきているケースが多いが、子どもがいない家庭が多いことや、メイドを雇うのが常識ということもあり、駐在員の妻にとって家事の負担はそれほど大きくない。
そのため、比較的、時間に余裕がある彼女たちは、常に楽しめることを探している。
こうした背景から、ジャカルタでは駐在員の妻が一大市場を作り出している。ここ5年ほどのあいだ、“駐妻”たちの口コミによって、大きく成長した業界を紹介しよう。
ジャカルタに住むと、日本の食のレベルの高さを痛感する日本人が多い。
日本で食べ慣れた食材が手に入りづらいこともあって、日本人のシェフがおり、しっかりとした日本食を提供するレストランは、駐在員にとって憩いの場となっている。
特に、日本人の数が爆発的に増え始めた2011年ごろから、飲食店の数が急増。なかでも人気なのが以下の3店だ。
1:Japanese Restaurant SUMIYA 炭家
名前の通り炭火焼きメニューが豊富なお店。日本人に人気だという噂を聞きつけて、現地の富裕層も多く訪れるようになった人気店だ。
2:MISTICANZA(ミスティカンザ)
こちらは日本人が好きなイタメシ店。午後2時から5時までやっている「ドルチェ食べ放題」のコースは、駐妻を狙い撃ちした内容で、人気を博している。
3:「海宝丸」
日本食の中でも、やはり特別なのは寿司。しかし、海外で生物を食べるのはちょっと抵抗がある…。そんな駐妻の心理をがっつり掴んでいるのがこちらの店。ジャカルタ市内に複数店舗を展開している。
日本から輸入した食材を使用するため、寿司盛り合わせが約5000円と安くはないが、海外で日本さながらの寿司が食べられる店は希少ゆえどこも繁盛している。
なお、料理人がしっかりしていれば、日本から輸入の食材にこだわらず、食材に合わせた調理ができる。コストが低く味が申し分ないとあれば、流行るのも納得だ。日本人シェフを1人入れ、あとは現地のスタッフを雇うのが利益率がもっとも出やすい「成功パターン」と言われている。
時間がある駐妻たちが、さまざまな飲食店を探索し、気に入った場合は家族とも来店する。駐妻に認められることは、その周辺の潜在顧客を掴むことも意味するのだ。
ジャカルタ駐在員の妻という市場

日本食レストラン
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