更新日:2026年10月05日 18:00
仕事

舌打ち、溜め息、無視…全国の職場に蔓延する「不機嫌ハラスメント」の深刻な実態。仕事をしている人の約75%が「職場に“フキハラ”をする人がいる」

 “不機嫌”な態度で周囲を萎縮させる「フキハラ」。働く人の7割超が「職場に加害者がいる」と答え、退職や休職に追い込まれるケースも少なくない。だが、法整備は十分とはいえず、被害が見過ごされがちだ。フキハラの深刻な実態に迫った。

休職や退職に追い込む例も。フキハラが全国の職場に蔓延

フキハラ

※写真はイメージです。画像生成にAIを使用しています

 挨拶は無視、業務報告をすると溜め息や舌打ち、書類を渡せば机に放り投げる……。どこの会社にも、こんな人はいるものだ。だが、たった1人の不機嫌によって職場の空気は急激に悪化する。 「不機嫌な態度をとることで相手を不快な思いにさせ、過剰に気を使わせたり、精神的苦痛を与える『フキハラ(不機嫌ハラスメント)』は、従業員のメンタルヘルスを悪化させ、企業の労働生産性を低下させる。現在のオフィスの大問題ですが、あまり認知されていないのが実情です」 「フキハラ」という言葉を広めた、この新種のハラスメントを研究する慶應義塾大学の満倉靖恵教授はこう話す。  実際、クラウドソーシングのエムフロ社が500人を対象とした調査によれば、仕事をしている人の実に74.6%が「職場にフキハラをする人がいる」と回答。社内規定の作成・管理を支援するKiteRa社の調査では、「受けた言動が原因で、退職を検討した」人は45.8%に上り、代表的なフキハラである「溜め息、舌打ち、挨拶を無視」をされた人に至っては51.8%が退職を考えたという。

不機嫌は“伝染”する!?

 IT企業で働く30代男性が経験したのは、典型的なフキハラだ。 「チーフエンジニア(課長級)は、仕事が立て込むと当たりが強くなるんです。業務の報告に行ってもガン無視で、顔も上げずに10秒ほどPCをタイプし続ける。『……あの』ともう一度声をかけると、バチンッ! とキーボードを壊れるほど叩きつけて、報告を聞いても『はぁ~あ』と周りに聞こえるように大きな溜め息。目も合わせず、『……で、何が言いたいの?』って。最近ではチーフの機嫌を損ねた人のほうこそ悪いという雰囲気になり、他の社員まで言動が荒くなる。職場は殺伐として、もう辞めたいです」  フキハラが厄介なのは、不機嫌は“伝染”するからだ。 「脳波の研究で明らかになったのは、人間の感情はネガティブが主体で、他人の不機嫌にまで敏感に反応する事実です。さらに、他人の不機嫌に、人は無意識に同調してしまう。つまり、“不機嫌のパンデミック(感染爆発)”が起こるのです」(満倉氏)
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「いつも不機嫌な人」は3つに分類される
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