雑学

「まじでやばい」と話題の家に行ってみた

まじでやばい

まとめサイト「VIPPER速報」より

 つい先日、2ちゃんねるのニュース速報(VIP)板にて、ある家が「まじでやばい」と写真付きで投稿された。写真を見るに、その家の窓にはエキセントリックな絵がびっしりと貼られており、庭と思しき場所には、これまたエキセントリックなお面の数々が吊るされていた。

 それを見たVIPPERたちは「まじでこわい」とお祭り騒ぎ、果ては「おっさんが写ってる」などと心霊写真として扱う始末。住所までは晒されなかったが、ある程度の場所は特定されてしまった。確かに、見ようによっては不気味であるが、その絵のクオリティを考えるとプロのアーティストの可能性も十分考えられる。そこで筆者は6月4日、本人に直接確認するべく、神奈川県某所へ行ってみることにした。

 その家は、最寄り駅より歩いて20分ほどかかる、閑静な住宅街にあった。面した道はあまり人通りもなく、そこから十分、件の画像と同じ絵とお面が確認できた。

 筆者は早速チャイムを鳴らしてみた。そこに現れた人物の「容貌」に一瞬たじろいだのは言うまでもない。

※住人の画像はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=225208

 まず突然の来訪を詫びたのち、取材で来た旨を話すと、黒川巌(75歳)は快く家に招き入れてくれた。

――今、ネットであなたの家が話題になっているのをご存知ですか?

黒川:ネット? パソコンとやらを持ってないんで、知らんなあ。でも昨日、何人か若い人が家の前まで来て、「見つけた」とか「こえー」とかなんとか言ってた。10人くらい来たかなあ。絵を掲げている以上、見に来てもらうのはかわまないけど、近隣に迷惑のかからないよう、静かに見てってほしい。

――あの絵は、黒川さんが描いたものですか?

黒川:ええ。絵が好きでねえ。登山家はそこに山があるから登るでしょう。それと同じで、絵が好きだから絵を描く、ただそれだけ。

――かなりのお手並みですが、プロの画家ですか?

黒川:いいや、趣味だよ。別に売ったりしたこともないから。ただ、「一流の芸術家=売れている画家」と考えるのは、お金を尺度とした考え方で。それは芸術家にとって重要な考え方ではない。大切なのは、自分の思いや考えをどう伝えるのかということ。たとえ、画家を職業としていなくてもサラリーマンやアルバイトをして生活費をまかないながら絵を描いて自分の想いを伝えることはできる。実際、僕はそうしてきたんだ。

――その伝えたい「自分の想い」というのは?

黒川:絵によって違うけれど、たとえば、仏教の世界観を絵にすることで、「天国と地獄」という観念により人間の心に「本当の善悪は何か」を直接的に訴えることができるだろうし、それは仏教の根底に流れる「世界平和」にもつながると思う。また、孫を失ったショックで描き始めたものもあって。そこでは「子供」という存在の大切さを込めている。ただそれらはどれも押し付けがましくあってはいけないと思う。だから、絵を見て、感じてくれたら、それでいいかなあ。

――絵を見た通行人からの反響はありますか?

黒川:……あまりいい反応はなくて、中には「下手くそ」とか「出て行け」とか「死ね」とか、そういった誹謗中傷の貼り紙をされたこともあったかな。誰かはわからないけど、いい気はしないのでやめてほしい。

――先ほど、通りかかった小学生が家を指して「お化け屋敷」と言ってましたが。

黒川:ちゃんとこうして人が住んでるんで、放火だけはやめてほしい。それがとてもコワイ。

※家の中の画像はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=225241

 突然の訪問にもかかわらず、気さくに対応してくれた黒川氏。氏はネットで言われるような「狂人」でもなければ、「プロのアーティスト」ともまた違う、気のいいおじいちゃんだった。面白半分で盛り上がり、見物に行って「勇者」気取るのは個人の自由だろうが、あくまで「個人宅」であることをお忘れなく。 <取材・文/日刊SPA!取材班>





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