無職が綴ったリリック「体感、経験、動くことが大事!」
―[30代無職のリアル就活日記]―
30代といえば、俗に言う「働き盛り」な年である。しかしこのご時世、ひょんなことから職を失い、はたまた自ら働くことを拒絶し、もがき苦しんでいる者たちがいる。彼らはいかにして地に落ち、どう這い上がろうとしているのか……。そんな彼らに元WBA世界ミドル級王者・竹原慎二から激辛エールをもらった
【CASE 3】
無職が綴ったリリック「体感、経験、動くことが大事!」
村田秀樹さん(仮名)33歳 無職歴8年
高校時代にうつ病などを発症した村田秀樹さん。20歳のときには精神科で「君は働いちゃいけない」と悲壮な宣告をされた。
「症状が回復して、大手出版社の契約社員として働いた時期もありましたが、やはりうつ病が再発して退職しました。さらにその後、ヘルニアも発症してしまい、もう8年ほどまともに働けていません」
症状が落ち着くとアルバイトに応募をするものの、選ぶ仕事はなぜかパチンコ店やカラオケ店など、立ち仕事の接客業。面接で落とされるか、採用されても1週間で退職という失敗を繰り返している。
「面接で持病のことを話すと『ウチでは働かないほうがいいよ』と断られることがほとんど。仮に採用されても、すぐに片方の病気が悪化して、それにつられてもう一つの病気も悪化……という悪いスパイラルに入ってしまうんです」
20代後半には両親が相次いで亡くなってしまい、村田さんは生活保護を受けて実家で一人暮らす状態に。ネットを見ながら無為に過ごす毎日が続くなか、一昨年に出合った自己啓発書『夢をかなえるゾウ』をバイブルとして、今なお繰り返し読んではいるが……。
「久しぶりに仕事に応募したり、ネットで自作のラップを披露したりと、本当にアクティブになれたんですよ。でもその無理がたたったのか、またヘルニアが悪化しちゃって。それで心底落ち込んでしまい、ここ2年ほど気休め程度に職探しのマネ事をしてるくらい」
この悪しきスパイラルから抜け出すため、村田さんは「ヘルニアとうつ病を一緒に治療できる珍しい病院」への入院を決断。現在はベッドの空きをただ待っている。
「もし働けるようになったら、とにかく人の役に立てる仕事に就きたい。成功とか、お金とかには、もう興味がないんですよ。最近はお坊さんになるのも一つの道かな、と考えています」
入院した際はぜひバイブルを再読し、奮い立っていただきたい。
【竹原慎二の激辛エール】
ヘルニア持ちなんて何人いると思っとる。病気を治して社会復帰しようというより、病気を怖がってるように見えるわ。33歳、いくらでもやり直しが利く年じゃ。やる気がないならそのままネットで励まし合っとれ。
― 30代無職のリアル就活日記【3】 ―
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