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中国で「偽サントリー烏龍茶」が大人気。しかも本家より割高!

烏龍茶,サントリー,中国 健康ブームに乗っかる形で、中国でも烏龍茶をはじめとするペットボトル入り無糖茶市場が好調だという。一昔前までは「お茶なんかにカネを出せるか」という人民が多く、コンビニでは烏龍茶や緑茶に砂糖を入れた加糖のお茶が主流だったが、最近、そうした状況が一変しているようだ。「お茶の国」であるはずの中国で、なぜ今さらという感じも否めないが……。  広州市在住12年の日本人男性は、その理由についてこう話す。 「中国では、つい10年ほど前まで、老若男女いつでも茶葉入りの水筒を肌身離さず持ち歩き、出先でお湯を足しながら水分補給をしていて、お茶にカネを出して買うという習慣はなかったはずです。また『体を冷やすのは健康によくない』と信じる人が多く、冷たいお茶は邪道として飲まなかった。お茶の伝統があるからこそ、ペットボトル入りの無糖茶は流行らなかったのでは。中国で甘くない飲み物と言えばミネラルウォーターしかなく、ペットボトル入りの茶は全て加糖。砂糖が入った伝統的な漢方茶『涼茶』の影響でしょうね」  ところが、都市生活者は給湯所でいちいちお湯を補給する時間はない。さらに所得向上の副産物として、4人に1人が肥満という飽食の時代に差し掛かるなか、時短でヘルシーなペットボトル入り無糖茶に脚光が当たっているというわけだ。  あるコンビニに入ってみた。サントリーの烏龍茶のボトルデザインを模倣したパチモン商品が多く並ぶ食料品店の清涼飲料水コーナーからも、無糖茶人気が見て取れる。 【パチモン烏龍茶】画像はコチラ⇒
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=242736
 しかも本家サントリーウーロン茶が6.5元(約80円)ほどだったのに比べ、これらのパチモンは130円以上とパチモンの身分で強気な値段設定。それでも売れるほどのブームなのだろう。ちなみに味のほうは、酸味と苦みが強いように感じられた。 【本家とパチモンの比較画像】はコチラ⇒
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=242739
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左が中国で販売されているサントリー烏龍茶。真ん中と右がパチモン。色が微妙に違う

「無糖茶は、スーパーなどでは50~100円ほどでで売っていますが、中心部のコンビニなどで買うと150円くらいする商品もあるので、もはや日本と変わらないですよ。こんなものをバカバカ飲み始めたところに、中国も豊かになったなぁと実感しますね。私はいまだ物価上昇についていけず、水筒派ですけど……」(前出男性)  経済成長なか、小さな杯で仲間と語らいながらゆっくり楽しむ功夫茶のような中国伝統の茶文化は次第に失われていくのだろうか……。 【取材・文・写真/ドラゴンガジェット編集部】 ガジェット好きのライターや編集者、中国在住のジャーナリストが中心メンバーとなり、2012年1月から活動を開始。東京と深セン、広州を拠点に、最新の話題をお届けする。
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