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“やくざ監督” 野々村直道の提言「いじめっ子はぶん殴れ」

野々村直道 手も出れば足も出る。纏った服は極道風。発言内容は過激ながらも一本筋を通す。“本職”のオーラすら漂わせながらも、高校球児たちを指導させれば春夏合わせて10回の甲子園という偉業を成し遂げる。山陰のピカソ、そしてやくざ監督と呼ばれた名物監督が、今春ユニフォームを脱いだ。その人物は‘10年春の甲子園で21世紀枠の高校に敗れ、「腹を切りたい」「21世紀枠に負けたのは末代までの恥です」の発言で物議を醸した野々村直道、その人である。  現在は教育評論家というグランドで大暴れする彼は、全国的な問題となっているいじめについて「はっきり言って、すべて現場の教師が悪い」と一刀両断する。 「教師というのは毎朝生徒の顔を見るわけだ。だから生徒の顔色を見たら、こいつ、なんか悩みがあるなとわからないかん。そしておかしいと思ったら呼び出して、いじめたヤツも呼んで、『なにがあったんじゃ』とやらにゃいかん。それが担任ですよ。それを早めにやったら大津のようなことには絶対にならない」  大津の事件では、今秋をめどに立件されるかどうかの判断が下る。教育の現場に警察が介入せざるを得ない現状についてはどのようにとらえているのだろうか? 「学校のね、しかも生徒間のことを警察が介入して調べるというのは、はっきり言えば教育の敗北です。でも、この大津の事件をきっかけに、今まで隠れていた酷いことが事件となって、警察がドンドン入っていくというのは、世の中の目を覚ますためにも一つの“脅し”としていいと思います。だけど、警察の介入を許してしまった現場の教師は情けない。やはり教育は独立した現場じゃなきゃいけない。『警察なんて呼んだら恥じゃ!』と、本当なら警察を呼ばにゃならんような現場にも僕は出て行きおったけどね。そりゃこんなことは誰にでもできることじゃないのはわかっとる。でも、担任なら、いじめに気付くことはできたはずやと」  野々村氏の著書『やくざ監督と呼ばれて』には、「いじめっ子はぶん殴れ」と書かれている。だが、そうなると、教師による体罰として問題視されそうだが……。 「最終的には、体罰にしても本気かどうかなんです。だからいじめっ子は本気でぶん殴る。本気だったら、子供たちはわかるんです。優しさも力であれば、拳も力。本気というのは生徒に対する優しさでもあるんですよ」
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体罰と暴力の境目
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