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受動喫煙防止条例で飲食店が閉店の危機!?

「暴走族の特攻服に刺繍をしてはいけない」「ゴミを34種類に分別して捨てなくてはいけない」など、日本にはびこる”おかしなルール”を報告してきた本連載企画。最終回となる今回も、読者から寄せられた声も含めて、その是非を問う取材を敢行! これらのルールは果たして、”悪法”か? 対象>>>【全国の飲食店】 受動喫煙防止条例で飲食店が閉店の危機!?
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 ’10年4月、神奈川県で、飲食店などでの禁煙、分煙を義務付ける罰則付き条例「公共的施設における受動喫煙防止条例」が施行された。しかし、この条例が今、全国の飲食店関係者たちに不安の影を落としつつある。  そもそもこの条例では、100平方メートル超の店舗で喫煙区域をつくる場合、”仕切り”、”排気設備”、”空気の流れ”の厳しい基準の措置が必要で、規制どおりに設置するとなると、店舗によっては1000 万円以上の費用がかかってしまうケースがあるという。一方、”店内禁煙”を選択したとしても、今度は飲食店のメインターゲットともいえる喫煙客の店離れが悪化。つまり、いずれの方法を取ったとしても店舗経営を圧迫する可能性があるのだ。  しかし、こんな”飲食店いじめ”の条例が、”健康”を楯に兵庫県でも実施される動きがあるのは本誌の既報のとおり。この条例が可決されれば、同様の流れが他の自治体に波及していく恐れも。となれば、全国の飲食店が経営難に直面する可能性も大きくなる。この現状に対して弁護士の角田龍平氏は「規制範囲が広汎すぎることに問題がある」と指摘する。 「不特定多数の人が自らの意思と関係なく利用せざる得ない官公庁、学校、病院などならまだしも、利用するもしないも自由な飲食店まで規制するのは明らかにやりすぎです。受動喫煙防止法の目的は、その名のとおり『受動喫煙を防止すること』。客や従業員すべてが喫煙者である”喫煙店”であれば、本来の目的との関連性はないはずですから、禁煙、分煙、それと”喫煙”という選択肢も加えた3択で条例内容を考え直すべきではないでしょうか」  また、このような喫煙環境の規制が全国化していけば、「”たばこを吸う人=悪人”というようなイメージが社会に浸透し、喫煙者が差別されるような状況が生まれる可能性も高い」(のり・たまみ夫妻)。”健康”という聞こえのいい言葉に惑わされずに、一度条例を冷静に見直す必要がありそうだ。 【角田龍平氏元芸人弁護士
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コンビ解散後弁護士に。現在『サンデージャポン』(TBS系)出演。『角田龍平のオールナイトニッポンポッドキャスト』(ニッポン放送)も好評配信中のり・たまみ夫妻『へんなほうりつ』著者
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夫婦のフリーライターユニット。世界10か国に滞在するなかで各国の法律に興味を持ち、独学で学ぶ。『へんなほうりつ』(小社刊)など、法律関連の著書多数 イラスト/テラムラリョウ ― おかしなルール報告書 最終回【2】 ―
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