更新日:2012年05月31日 17:58
仕事

故人の思い出の品もそのまま。遺品整理現場に密着!

故人の思い出の品もそのまま。遺品整理現場に密着! 実際に孤立死の起こった現場とはどのような状況なのか。そのリアリティを実感すべく、小誌記者が吉田氏の経営する遺品整理会社・キーパーズの現場に同行させてもらった。  今回、記者が訪れたのは都内マンションの一室。屋主である故人は40代男性で、この部屋で自殺し、死後2週間たったところで大家に発見されたという。 「死後2週間放置されていたといっても、冬場なのであまり腐臭はひどくないと思います」  現場を監督するベテラン社員はそう言った。実際に室内に入ってみてもすでに匂いはなく、教えられなければここで自殺があったとはわからない。しかし、ここで確かに孤立死があったことには違いない。 「多いときは月50件以上。そのうち、約1割が孤立死のケースです」(前出の社員)  長い間掃除などしていなかったのだろう。室内にはホコリが厚く積もり、家財道具が散乱している。しかし、基本的にはまだ生活臭が残ったままだ。ベッドはまるでさっきまで故人が寝ていたかのように放置され、洗濯物も室内に干しっぱなし。冷蔵庫には水も残っている。キーパーズはこれら”故人の残り香”を、すべて消し去らなければならない。 「普通の引っ越し作業などとの違いは、貴重品(金品、思い出の品)をまとめ、ご遺族に返還しないといけないことです」(同)  整理を進めていると、この部屋からも息子さんの幼稚園時代の文集や絵などが出てきた。故人はこれをどのような思いで見ていたのだろうか……。作業は進み、散乱していた家財道具はすべて運び出されて故人の面影はなくなった。その後、清掃業者が入り「事故物件」が完成する。今日もいたるところで、このような悲劇は生まれている。
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借金がある場合、管財人に乱入されることも。 *プライバシー保護のため写真は他現場のもの ― 人ごとじゃない![孤立死]の悪夢【3】 ―
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