もし、残念な人が『論語』を読んだら【その6】
~ 『論語』と出会って、変わった人たち ~
もし女子中学生が論語を読んだら
『論語』を知らなかったら、後輩の陰口を言っていたかも
漆原マミさん(仮名)は、公立中学の2年生。水泳に夢中で、週末も含め、週4~5日はスイミングスクールに通うというスポーツ少女だ。昨年末、国語の授業で漢文がとりあげられ、論語を知る。
「レ点とか、書いてあるのに読まない置き字とか、日本語との違いが面白かったのと、先生が言っていたことが、心に残ったんです」
授業で習った論語のうち、特に彼女に響いたのは、『学びて時にこれを習う、亦た説ばしからずや』と『我れ人の諸れを我れに加えんことを欲せざるは、吾れ亦た諸れを人に加うること無からんと欲す』の2編。前者は「学び、必要なときに復習するのはうれしいことである」という意味で、後者は、「自分がしてほしくないことは、人にしない」というものである。
「国語の先生はまだ先生になったばかりで、『僕は大人になってから勉強をして、やっと教師になれた。君らは今のうちからやっておいたほうが僕よりうれしいことがあるよ』と言っていて、自分も復習したら得になることがあるかな、と思って。あと、ちょうど、スイミングスクールで上のクラスに上がったときに、悪口を言われて傷ついちゃったので。次に後輩が上がってきたときに、自分はしないようにしようと思いました。『論語』を知らなかったら、後輩の陰口を言うようになっていたかも」
授業で論語を習った翌日に早速、母親に頼み、絵の入った論語の本を買ってもらったという。
「勉強とか、今まで自分から面白いと思ったことあんまりなくって。お母さんは『成長したね』って言ってました。買ってもらった論語の本は、今、ちょっとずつ読んでいます」
国語の成績は3。読書は好きでお兄さんから借りて、よく読んでいるとか
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