
今年もボーナスの季節がやってきた。すでにボーナスを手にしてホクホクしている人もいるのかもしれないが、2012年の大手企業業種別妥結状況(日本経済団体連合会調べ)では、
-3.99%となっており、我々のフトコロに大寒波が押し寄せている状況だ。
週刊SPA!12月4日発売号に掲載されている特集『冬のボーナス天国と地獄』では、有名企業の現役社員に冬のボーナス額と自身の将来を予測してもらっているが、さらに「話題の企業」の冬のボーナス額について大予想を試みる。
まずは、
200億円以上の粉飾決算が判明し、経営の危機が囁かれている
エドウィン。経済記者A氏は話す。
「若い社員は年収が低めに設定され、
20代なら年収300万円台が大半。ですからボーナスも
30万円程度なのですが、今は未曽有の危機ですからね。ただ、ワンマン社長の責任だということは明らかなので、
10万円ぐらいは出さないと暴動が起きる可能性もあります。自社ビルもいくつか持ってますし、多少は出ると思います」
また、
2010年1月に会社更生法の適用申請するも、2012年3月期決算では
過去最高となる2049億円を叩き出した
JALはどうか。経済記者のB氏は明かす。
「3年近く前の倒産のことなど忘れてしまうほどの堅調ぶりです。そもそも組合が強いし、夏のボーナスは
平均で67万円出ました。
冬もそれぐらいは間違いなく出るでしょう。しかし、経営再建中はボーナスゼロだった企業が、こんなにも早くボーナスが普通に出る優良企業になるとは。
投入されたのは間違いなく国民のカネなんですけどね(笑)」
「ギャンブル依存症」の
東大卒御曹司が引き起こした不正借り入れ事件で一躍話題となった
大王製紙。今夏の裁判では、
関連会社からの借り入れ総額はなんと165億円と判明した。経済記者のC氏は言う。
「事件が公になった昨年でも
60万円程度は支給されました。誰がどう見てもクソボンボンのしでかした事件ですし、これを理由にボーナスカットはさすがにできないでしょう。一族経営の色が強いため、
『身内の不祥事を理由に社員の生活を脅かせない』というメンツもあります。妥結状況では家電ほど悪くないですから、同額ぐらいは支給されると思いますね」
ボーナスが生活給となった今、未曽有の危機に直面した企業でもやすやすとボーナスカットはできない様子。ということは、ボーナスが出ているからといって安穏とはしていられないということなのだ。 <イラスト/神林ゆう 取材・文/日刊SPA!取材班>