更新日:2013年02月06日 12:40

ニコニコが「同人」の「脱・同人」化を進める!?

 4月27日、28日の2日間、幕張メッセで開催される『ニコニコ超会議2』に向け、ニコニコ生放送で併催される同人イベントの主催者を迎えて特番が放送された。長時間に渡った放送の内容をお届けする。 ←前編(https://nikkan-spa.jp/382056) ニコニコは同人文化の何を変えたのか?【超会議2特番レポ】 ◆ ニコニコが「同人」の意味を変えていく!?  各同人イベント主催者が感じているように、相互に影響を与え合ってきたニコニコと同人文化。ニコ動オープンから6年を経て、『ニコニコ超会議2』を控えたいま、その関係性に変化はあったのだろうか?  伴氏(ドワンゴ運営)「お互い潰し合っているわけではない。ネットでのコミュニケーションと、リアルのイベントは離れてない。共存しているなという印象です」  I氏(コミケ)「イベントはそこでしかない、行けば何かある当日だけのもの。ニコ動などデジタルな場は、365日見られる画面のなかにある手軽なもの。分かれて棲み分けされている。そこが行き来されているのは、非常によい状態だと思っています」  八田氏(ニコつく)「ニコ動には、創作者の方に対して“ありがとう”といえる場や仕組みが提供されている。コンテンツツリーや動画のなかでのコメントなど。創作者に対して“ありがとう”を残せるということは、ニコニコと同人文化は親和性があって、未来へ発展していくかなと思います」  望月氏(文学フリマ)「ニコニコの存在は、同人をどんどん同人じゃなくしていく。“野生のプロ”(※編集部注:※プロ並のクオリティのコンテンツを提供するユーザーへ、視聴ユーザーが賛辞として使う呼称、登録タグ)という言葉がありますが、ただ単にスキルがすごいということだけではなく、ファンがつくということでもある。そのファンがお金を出して、その人を支えたら、その人はプロと言っていい。そういう仕組みをニコニコはどんどん提供しているなと。(中略)これまでは同人文化=コミケだったものが、ニコニコによってその言葉の意味が変わってくる気がします」  鷲見氏(ボーマス)「趣味でボーマスでCDを出していた人がメジャーでCDを出したり、逆にプロ作曲家がボーカロイドを使って曲をつくってボーマスに売りに来たり、プロとアマチュアの垣根がなくなっている」  I氏(コミケ)「コミケでもアマからプロに行く人もいれば、プロからコミケに来て楽しみを覚えて帰るという人もいる。そういった流れがニコニコでも起きている。発表の場が広がっている以上、それは抑えきれない。ニコニコにもコミケにも(別け隔てなく)行く。どんどん広がっていくことが、我々(同人)の面白い世界なんだと思います」 ◆ コミケの課題とニコニコへの期待  コミケの来場者数は、2012年末に55万人(3日間)という新記録を達成した。不景気のなか変わらずの勢いだ。一方で、望月氏(文学フリマ)が「現在でも同人文化の中心はコミケで在り続けていて、毎回何万サークルという落選を出しています。なぜなら、どこもコミケの受け皿になれないから」と指摘するような問題や、犯罪予告や事故による中止リスクなど、唯一無二の存在であるがゆえの問題を抱えている。  望月氏(文学フリマ)「(ニコニコなど別の受け皿ができることで)”コミケじゃなくてもいいじゃん”ということにできれば、この状況は変えられる。僕はそこに期待しています」  北條氏(例大祭)「今はニコニコで初めて(同人文化を)知って『これなら俺も出来るかも』とライトユーザーが掘り起こされる。そこからコミケや同人イベントにアプローチしていくという道ができてきたのかなと思う」  ニコニコは、同人文化への入口と出口を、ライトユーザーや地方へ提供することに成功した。その成果が可視化されたのが、去年行われた『ニコニコ超会議』だった。同イベントの来場者数は約9万人(生放送は約347万人)であった。あれから1年。ニコニコのユーザー数は約3000万まで伸びている。今年4月に行われる『超会議2』で、併催の各同人イベントはどんな現象をみせてくれるだろうか。 <取材・文・撮影/林健太> ⇒【特集】昨年開催された『ニコニコ超会議』レポート https://nikkan-spa.jp/202241 ※痛Gふぇすた、超会議号、コスプレ、necomimiほか
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