中国海賊版『まどマギ』DVDが130円の衝撃
中国といえば海賊版。しかし最近では、ハリウッド映画や日本ドラマを扱う海賊版DVDショップは、欧米や当局の圧力もあり、外国人の多い上海や北京ではめっきりその数が減ってしまった(中国映画、ドラマなどの海賊版はまだまだどこでも手に入る状況だが)。今では買えたとしても、マンションの1室でひっそり営業している店か、「奥に別室」のあるDVDショップでしか手に入らない。
そんな中、広東省の某2級都市で日本&欧米作品の海賊版DVDを堂々と売る路面店を発見した。しかも、この店のある通りには、ほかにも同様の店がいくつもあるではないか。5年前ならともかく、2011年の中国では稀に見る光景だ。
さっそく店内に入ると……あるわあるわ!
『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』など公開中の最新のハリウッド映画や、『名前をなくした女神』など先月まで日本でやっていたドラマの全話収録DVD、新旧名作やドラマのコンプリートが……。
中国の海賊版DVDショップの料金体系は極めてわかりやすい。1枚=○元という感じで、2枚組なら×2、10枚組BOXセットなら×10という具合になる。ちなみにこの店の価格は1枚=10元(約130円)だから、5枚組なら約650円という具合になる。
あまりの海賊っぷりに驚いていると、さらに衝撃のコーナーを発見!
なんと6月に発売されたばかりの東日本大震災のDVDがさっそく並んでいるではないか! しかも、店員によると「中国語の字幕も付いてるよ」という。コピーしたうえ、独自に字幕データを加えて販売しているというのだ。
さらにアニメコーナーも発見!
『魔法少女まどか☆マギカ』や『侵略!イカ娘』、『NARUTO -ナルト』、『TIGER&BUNNY』なども売られているではないか。しかも、すべて中国語字幕付きなのだ。中には10枚組のBOXセットまである。日本で買えば3万円以上するものが、ここではわずか1300円で買えてしまうのだ(しかも、BOXセットの場合、箱もちゃんとコピーされている)。
それにしても、こうした海賊版DVDは誰が買っていくのだろうか。この街に住んで6年という日本人駐在員は言う。
「この街に日本人は100人くらいしか住んでないから、日本人向けではないと思いますよ。香港や台湾の工場が多く、香港人や台湾人の在住者や出張者が買っていっているみたいですね。ちなみに現地の中国人は買わないですよ。みんなネットでタダでダウンロードして見ますからね」
こうした状態を放置すれば、日本のコンテンツ産業が多大な被害を蒙ってしまう。一刻も早く、日本の制作会社は政府と一丸となって、海賊版DVD対策をしなければいけない。
取材・文・撮影/日刊SPA!取材班
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ