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プロによる緊縛を体験! 女性記者が縛られてきた

 エロをアートというオブラートに包んで表現することは多い。「エロとアートの融合」と言えば聞こえはいいが、穿った見方をすれば、エロをアートで誤魔化している、とも言える。4月からザムザ阿佐谷にて緊縛と舞台のコラボレーションイベント『緊縛夜話』シリーズが開催されているが、それもその類なのだろうか? 緊縛師・有末剛が出演する、緊縛シーンの出てくる演劇だというが。いやらしいのか、美しいのか、どちらの心づもりで臨めばいいのかわからないまま、『緊縛夜話 第一夜』の会場へ向かった。

 開演前、客席はおよそ“演劇”を観に来たとは思えないような空気で包まれていた。とはいえ、観客はいわゆるマニアの人ばかり、というわけでもなさそうだ。誰もかれもが、非日常を目にできそうな期待と興奮ではちきれそうになっていたのだろう。

 舞台には、緊縛に使うためであろう竹が上から吊り下げられていた。開演し、さっそく縄を使ったパフォーマンスが始まるのかと思いきや……、始まらない。着物の女性が歌い、朗読し、とごく普通の舞台が展開していき、一向に縄が出てくる様子はない。縄はまだか、まだか、と観客の期待がパンパンに膨れ上がった頃、ようやく有末氏が登場。ストーリー中盤の、「村に災いをもたらす鬼を退治する」シーンである。

 鬼の女性の手首を縛り、上半身を縛り、鬼を縄で懲らしめるかのように、荒っぽく縛っていく有末氏。

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 鬼の縛りが完成したら、次は白い着物の女性が登場。生け贄として差し出された村娘のようだ。こちらの女性相手には、優しく縄をまとわせ、抱擁するように縛っていく。使っているのは同じ縄のはずが、縛り方ひとつで異質なものに見える。縛るうちに着物がはだけ、あらわになった太ももを吊るし上げて“作品”が完成していくさまには息を呑む。いやらしいのに、美しい。美しいのに、いやらしい。イベント主催者は「今までエロの中に埋没していた緊縛を、アートへと引き上げる試みをしている」と語るが、その言葉通り、性的なジャンルから、“下品さ”を取り去って極限まで美しくした――そんな空間がそこにあった。

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 閉幕後、希望者は有末氏による体験緊縛を受けられるとのことで、筆者も立候補。初めて縛られる緊張を隠すようにへらへら笑う。有末氏からすると緊張で固くなっているのがミエミエだったようで、時折「はい、力抜いてー」とバリトンボイスでふんわりと声をかけられる。徐々に縄に身を預けると、縄と一体化しているような感覚になってきた。筆者は最初、縄が怖かった。縛られる趣味もなければ、痛みにも弱いため、有末氏の手でどんどん巻かれていく縄を、“自分に危害を加えるナニカ”という目で見ていた。それを知ってか知らずか有末氏は、「縄を使ったコミュニケーションだから。心を開いてくれないと縛りにくいし、最初に痛い思いしちゃうと心を閉じちゃうから、体験ではキュッと抱きしめられているような感覚を味わってもらうように縛るからね」とそっと語りかける。ほかの緊縛体験者たちも同様のようで、縛られる緊張と、大勢の前で縛られている緊張とでこわばっていた顔が、有末氏の操る縄と言葉で、徐々に柔らかく、そして上気していったのだった。

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 そして、体験緊縛が完成し、吊るし上げられると、「美しい。美しい……」と口々に感嘆し、食い入るように見つめてくるイベント参加者たち。着衣であくまでも、いやらしい方面のイベントではないとはいえ、どこか視姦されているような背徳感に、絶妙な具合の非日常を感じたのだった。 <取材・文/せんべい子 撮影/後藤一平>

●『有末 剛 緊縛夜話』シリーズ
http://www.laputa-jp.com/zamza/main/index.html
次回公演は6月9日……なのだが残念ながらすでに予約が埋まってしまっている。その次は9月にザムザ阿佐谷にて開催予定。テーマは緊縛ロックオペラだという。
問合せは03-5327-7640/asagaya@laputa-jp.com
詳細はHPまで。




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