「中国では貧乏人は諦めて毒を食うしか無い」中国人漫画家決死の告発
「中国を愛しているからこそ、そして自由な民主国家になってほしいからこそ、この漫画を描いた」。言論統制の敷かれている中国の漫画家が、日本の出版社を通して自国の絶望的な内情をエッセイ漫画で描いた――。『中国のヤバい正体』(大洋図書刊)は、そんなにわかには信じがたい本だ。著者の孫向文氏(筆名・30歳)は浙江省の杭州で暮らす生粋の中国人。幼い頃に『聖闘士星矢』に熱中したことから漫画家を目指し、20代半ばに中国本土で漫画家デビューした。今回、出版に合わせて来日しているという話を聞き、インタビューが実現した。
⇒【前回】中国人漫画家が告発「中国は、お上の気分次第で逮捕される」https://nikkan-spa.jp/491572
◆高級料理店も“ドブオイル”使用で揚げ物は全滅
惨憺たる国の実情がその口から語られていく。
「大変なのは食べ物ですね。連日のように食べ物のことが報道され、国民も命に関わるから強い関心を持っています。まず外食だと、僕は揚げ物は絶対に食べません。工場近くの排水溝に溜まった油を濾過した“ドブオイル”で揚げた可能性があるからです。ドブオイルには発ガン性物質がたっぷり入っています。正規の油の半額以下で購入できるから、飲食店は儲けのため、そんな危険な油を平気で使っているんです」
安全なはずの外国企業のケンタッキーや、高級料理店ですらドブオイルの使用が報道された。だから孫氏はどの店の揚げ物も信用していないという。
「あと豚や鶏の肉には成長促進剤が打たれている可能性があります。乳製品には革靴の工業用ゼラチンが混じっているっていう報道もされました。それから……」
孫氏は次々と危険な食べ物を列挙するが、これでは何も食べることができない。
「金持ちの間では、自分で農作物や牛や豚を育てるプチ農場もはやっていますが、貧乏人はもう諦めて毒を食らうしかありません。『中国人の胃腸は宇宙一だから問題ない』ってネットでは自虐的に語る人も多いんです。でも僕の友人は20代なのにガンになりました」
食べないと死ぬ、食べたら何年後かに死ぬ――と孫氏は語る。究極の選択だ。しかしなぜ、ここまで食の汚染が進行しているのか。
「中国では権力と結びつけばやりたい放題です。食品メーカーも地元の共産党員に賄賂を渡し、不正を働きます。結局、政府がいい加減だからこうなるんです」
孫氏は周囲を気にしつつ、声を潜めて言った。
⇒【次回】『中国では大気汚染が酷すぎて誰も白い服を着ない』へ続く https://nikkan-spa.jp/491574
【孫向文氏】
中華人民共和国浙江省杭州市出身の30歳。漢族。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、漫画やネットで日本語を学び、日本の某漫画賞にも応募して受賞する。趣味は海外旅行とヒップホップ
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