中国の飲食店、料理に“違法な粉”を使用で客を中毒に。リピーター獲得のため
猛毒食品の氾濫が世界的に問題視されている中国で、今度は“中毒食品”が蔓延しはじめている。
『新華網』(2月13日付)によると、アヘンの原料で中毒性のあるケシから取れる果皮の粉末(ケシがら)を、料理に使う飲食店が全国で増えている。昨年9月末以降、上海市、四川省、青海省などでケシがらを食品に混入していた飲食店が次々と摘発されているのだ。火鍋のスープに混ぜたり、麺に練り込んだりする手口で、いずれも顧客を中毒にし、リピーターとして獲得することが目的だった。
中国の法律ではケシがらを食品に添加して販売することは禁止されているが、漢方薬の一種として販売されておりネット上でも500gあたり約4000円で購入できるという。
顧客を中毒にするために使用されるのはケシがらだけではない。広州市郊外で飲食店を経営する松田尚さん(仮名・42歳)は話す。
「調味料メーカーの営業マンがよく食品添加物を売りに来るんですが、『ひと匙で客が病みつき』というのが決まり文句。噂では、覚せい剤と同様の成分が入っているものもあるらしい(笑)。かつて『肉宝王中王』という依存性の強い食品添加物が中国で問題となったが、それにはベンゼンの元となる成分が含まれていました」
依存性のある物質が添加された清涼飲料水もある。広州市在住の日系工場勤務・戸田誠さん(仮名・46歳)は話す。
「華南地方でよく飲まれる涼茶(甘い漢方茶)のスタンドが会社の近くにでき、やたら繁盛しているんです。地元の人が従業員に聞いたところ、人気の秘密は依存性のある咳止めシロップとアスパルテームの添加だった。もう怖くて飲めませんよ……」
依存性の高い違法な食品添加物が蔓延する中、広東省東莞市のメーカー勤務・高島功夫さん(仮名・37歳)は、知らないうちに中毒となり、禁断症状まで現れた。
「近所のローカルコンビニに、カレー味の魚のつみれが売っている。別においしくはないんだけど、不思議と食べたくなるので、毎日出勤と帰宅の際に2回ずつ食べていた。先日、春節休みで日本に1週間帰国していた時のこと。初日から例のつみれが食べたくなって、果ては夢にまで出てくるようになった。中毒症状に陥っていたんでしょうね。何が入っていたのかは謎ですが……」
中毒性のある食品添加物が蔓延する背景として、「飲食店の同質化」を指摘するのは、トラブル孫悟空の愛称でおなじみ、中国人ジャーナリストの周来友氏だ。
「ケシがらをはじめ、漢方の生薬など依存性のある物質を使った料理は昔からあった。最近、それらがリピーター獲得のために濫用されるようになった背景には物価・人件費高や競争激化のなか、中国の飲食業界が特徴を失い、同質化していることが挙げられる。例えば火鍋店では、スープはどこも業務用の同じ調味料を使っている。調理師を雇って自前でスープを作るより、コストがかからないからです。結果、他と差別化し、リピーターを獲得するため、客を中毒症状にする『魔法の粉』の使用が横行するようになっていった」
日本への輸入量が一向に減らない中国産食品。もしかして日本人もすでに中毒に陥っている!? <取材・文/奥窪優木>
週刊SPA!連載 【中華人民毒報】
行くのはコワいけど覗き見したい――驚愕情報を現地から即出し
1980年、愛媛県生まれ。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国に渡り、医療や知的財産権関連の社会問題を中心に現地取材を行う。2008年に帰国後は、週刊誌や月刊誌などに寄稿しながら、「国家の政策や国際的事象が末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに地道な取材活動を行っている。2016年に他に先駆けて『週刊SPA!』誌上で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論の対象となり、健康保険法等の改正につながった。著書に『中国「猛毒食品」に殺される』(扶桑社刊)など。最新刊『ルポ 新型コロナ詐欺 ~経済対策200兆円に巣食う正体~』(扶桑社刊)発売
1980年、愛媛県生まれ。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国に渡り、医療や知的財産権関連の社会問題を中心に現地取材を行う。2008年に帰国後は、週刊誌や月刊誌などに寄稿しながら、「国家の政策や国際的事象が末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに地道な取材活動を行っている。2016年に他に先駆けて『週刊SPA!』誌上で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論の対象となり、健康保険法等の改正につながった。著書に『中国「猛毒食品」に殺される』(扶桑社刊)など。最新刊『ルポ 新型コロナ詐欺 ~経済対策200兆円に巣食う正体~』(扶桑社刊)発売
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