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再び全米を驚愕させたダルビッシュの“凄すぎる魔球”

ダルビッシュ,MLB

最近は一般ファンが作った映像などを後からネットメディアが紹介するという流れが多い

「ダルビッシュが95マイル(約153キロ)の速球を投げた後に、61マイル(約98キロ)のカーブを投げたら何が起こるか? ツインズのトレバー・プラウフに聞いてみよう」  現地時間8月30日のツインズ戦に先発した、テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有。7回に2本のホームランで逆転負けを許し、今季6敗目を喫したが、6回まではもはや代名詞となりつつあるノーヒットピッチングを披露した。メジャー断トツとなる今季11度目の二桁奪三振も奪い、今季の奪三振数は236。あの野茂英雄氏のメジャー元年(1995年)の奪三振記録に並ぶと共に、こちらも今季のメジャー最多奪三振を更新中である。  日本人メジャーリーガーのパイオニア、野茂氏といえば伝家の宝刀フォークで並み居る強打者たちから次々と三振を奪ったが、この試合でダルビッシュが投じたひと味違う“凄すぎる魔球”が、アメリカのネットメディアで話題となっている。  5回表ツーアウトで、右打者のプラウフを迎えた場面。95マイルの速球で2ストライクに追い込んだダルビッシュが最後に投じたのは、前の球から球速差34キロのスローカーブ。完全にタイミングを外されたプラウフのバットは、ボールがキャッチャーミットに収まるより遥か前に空を切り、何とも不格好な空振り三振を喫してしまった。 ※映像はこちら
⇒http://sports.yahoo.com/video/darvish-fans-plouffe-045200887.html
 この空振りのシーンは、すぐさまGIF画像に編集されてツイッター上に出回り、各ネットメディアがこぞって取り上げた。スポーツ専門メディアの『ブリーチャー・レポート』は、ダルビッシュのカーブを“Voodoo magic”(魔術)と称し、スウィングしたバットがボールといかに離れているかがわかる画像も掲載。米『Yahoo!スポーツ』は、直前に投じた速球との球速差を示すグラフも併せて紹介した。 ⇒【画像】「空振りの瞬間」https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=500906
ダルビッシュ,MLB

ボールがベースに到達するはるか前にバットが空を切っている

⇒【画像】「球速を示す折れ線グラフ」https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=500909
ダルビッシュ,MLB

この日の投球ごとの球速を示す折れ線グラフ。緩急あるピッチングが一目瞭然だ

 この“魔球”はあっという間に話題となり、映像を見たファンからは「ダルビッシュと対戦すると、全てのバッターがリトルリーガーのようになってしまう」「1回振ったバットを戻して、もう1回スウィングできそうだ」などのコメントが次々と寄せられた。  もっとも、ダルビッシュが操る七色の変化球がアメリカのネット上を賑わすのは、今回に限ったことではない。  今年4月には、ロサンゼルス・エンゼルスの強打者、アルバート・プホルスに1試合で投じた5種類の球種を重ねて再現したGIF画像が作られ、「全てのボールが全く同じ腕の振りから繰り出されている」「マジシャン」「まるでTVゲームだ」などと話題をさらった。
ダルビッシュ,MLB

野茂氏のフォークが「消える魔球」なら、ダルビッシュのスローカーブは「届かない魔球」か

 9月に入り、ダルビッシュのメジャー2年目のシーズンもいよいよ佳境を迎える。既にほぼ手中に収めている奪三振王の称号に加え、防御率も現在リーグ2位と、タイトル二冠は射程圏内だ。チームも地区首位を快走中。昨年はメジャー1年目にしてワンゲーム・プレイオフの先発を託され、涙を飲んだダルビッシュ。今年こそプレーオフの大舞台で、世界を湧かせる“魔球”を披露してほしいものだ。 <取材・文/スポーツカルチャー研究所> http://www.facebook.com/SportsCultureLab 海外スポーツに精通したライターによる、メディアコンテンツ制作ユニット。スポーツが持つ多様な魅力(=ダイバーシティ)を発信し、多様なライフスタイルを促進させる。日刊SPA!ではMLBの速報記事を中心に担当
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