2013年秋、“古墳”関連のイベントが目白押し
―[[古墳ブーム元年]大検証]―
箸墓古墳の研究者立ち入り、百舌鳥古墳群の世界遺産登録と、何かと話題の多い古墳業界。そして8月に行われた“最初で最後”の「キトラ古墳」石室一般公開に愛好者たちが殺到。新たな古墳愛好者たちの実像に迫る。
◆古墳ファンは必見!!関連イベントがこの秋集中!
ここ数年、新興の古墳イベントが続々と誕生している。古代食の試食や古代土器の製作を体験できる「野毛古墳まつり」(野毛大塚古墳)は’08年に、古墳を背景に雅楽やジャズのコンサートを実施する「熊野神社古墳まつり」(武蔵府中熊野神社古墳)は’10年に、それぞれ始まった。熱気球で空からの古墳を体験させてくれた見野古墳群の「古墳まつり」は、第1回開催が’06年だ。
「古墳」「古代」「埴輪」のいずれかをテーマとした作品の出展が義務づけられるアーティスト・イベント「Comecomeはにコット」は、高槻今城塚古墳にて昨年より年2回ペースで開催されている。
奈良県桜井市出身で、東京カルチャーカルチャーなどで「古墳にコーフンナイト」などのイベントを開催するプロデューサーのテリー植田氏はこう語る。
「古墳人気の理由として、『歴史』『謎』『街歩き』『デザイン』の要素があると思うんです。単なる史跡巡りではなく、いろいろな面で歴史を楽しめるという面白さがあると思います」
テリー植田氏は“古墳銀座”と言われるほど古墳が密集した奈良県桜井市の出身。「子供のころから自然に古墳で遊んでいた」と語る。
「当時はまったく意識していませんでしたが、せっかく千何百年も前から残っている観光資源があるのに、もったいないことをしてきたと思います。僕の地元もシャッター商店街だらけでさびれてしまっていますが、古墳で町おこしができたらいいなと。千葉や群馬、埼玉などにもたくさん古墳があります。都会の人が全国の古墳を訪れてくれるよう、今のブームをさらに盛り上げたい。これは僕の故郷への“恩返し”でもあるんです」
古墳を観光資源としてアピールする自治体も増えている。この秋も古墳関連のイベントは目白押しだ。一度参加してみてはどうだろうか?
◆これから行われる古墳イベント
【熊野神社古墳祭り】
10月19~20日
東京都府中市。前夜祭ではライトアップされた古墳をバックに、ジャズや雅楽のコンサートが行われる。府中市の姉妹都市であるウィーンから取り寄せたワインを楽しむことも。
【野毛古墳まつり】
10月19~20日
東京都世田谷区。「火起こし体験」、「野毛カブトづくり」、「ミニ土器づくり」など、古代の暮らしを体験できる。復元土器を使って作られたお粥や、炒ったドングリの試食も。
【かみつけの里古墳祭】
10月20日
群馬県高崎市。東日本最大の古墳県であり、古代東国の文化の中心地であったことを再認識してもらうために開催されている。昨年は、古墳時代を再現した創作劇が上演。
【西都古墳祭り】
11月2~3日
宮崎県西都原市。古代衣装をまとって歩く「たいまつ行列」と、古代の生活を体験できるコーナーが見どころ。神話を再現する「炎の祭典」では、炎が秋夜に燃え盛る。
【見野古墳群古墳祭り】
11月2~3日
兵庫県姫路市。過去に「古墳を空から見る熱気球体験」、「河内家菊水丸師匠の『見野古墳群音頭』披露」、「勾玉チャンピオン大会」などが開催されている。
【芝山はにわ祭】
11月10日
千葉県山武郡芝山町は、かつて約500基もの古墳群が点在した“はにわの町”として知られている。町内の小中学生が古代の服を着て現代人と対面の儀式を行う。
【Comecomeはにコット】
4月・11月の年2回開催予定
大阪府高槻市。「高槻今城塚古墳」で開催されるアートと古代の複合イベント。「古墳」「古代」「埴輪」のどれかに関する作品を出展すれば参加可能。
【古墳にコーフンナイト】
年数回
東京都港区お台場にあるイベントスペース、東京カルチャーカルチャーで定期的に行われている古墳イベント。開催日に合わせて全国から古墳愛好者がつめかける。
取材・文・撮影/寺西ジャジューカ 北村土龍(本誌) 写真/伊藤壮 まりこふん 共同通信社(キトラ古墳代表取材)
― [古墳ブーム元年]大検証【4】 ―
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