初CS進出の広島とCS逃した中日、各ファンの声は?
『球場ラヴァーズ』の作者・石田敦子さん。今年8月にはマツダZOOM-ZOOMスタジアムで行われた広島vs横浜DeNA戦で始球式も務めたほど筋金入りのカープファンだ。
初のCSに向けては「初めてこんなに長く野球をやる選手ばかり、疲れが出ないといいんですけど。選手のお母ちゃんの歳なので、『怪我せんようになぁ』と広島弁で祈るばかりです」と心配しつつも、「大舞台短期決戦はラッキーボーイが出たら勝ちです。勝つチームには必ず短期決戦にハマる選手が出てくるんですよね。広島は今、若手を積極的に使っていますし、誰がハマるか楽しみです。CS突破日本シリーズ踊りも踊らせてほしいです」と期待はふくらむ。
それにしても、“万年5位”だった広島が、なぜ今年はAクラスに食い込めたのか。その要因をツイッター上の広島ファンに聞いてみたところ、「セ・リーグの下位3チームがグダグダだったためだと思います」「スワローズとドラゴンズの崩壊っぷりが要因かと。野村謙二郎監督の“パワプロ采配”じゃ、Aクラス入りは本来ありえないですからねぇ。正直、結果オーライとしか……」と、妙に自虐的なコメントが。長年下位に沈んでいたせいか、突然のAクラスにファンの側にも戸惑いがあるようだ。
とはいえ、「毎年の“シーズン中必ずできる打線の隙間”が例年よりかなり短く、通して好調の打者こそいなかったものの、みんなでつなぐ打線ができたこと。そのおかげで四本柱に順調に勝ちがついたことだと思います。あとは、菊池の守備ですね」「昨年はちぐはぐだった印象が強い。それが、少しずつではあるけど投打が噛み合うようになってきたから……ですかね」といった前向きな意見もあった。
この点について、石田さんは次のように語る。
「外部からのコーチを入れた画期的な動きの年だったと思います。新井(宏昌)コーチ、そして引退してそのまま広島でコーチになってくれた(石井)琢朗コーチに感謝を。マエケン(前田健太)は今年も素晴らしいし、先発陣が踏ん張ってくれてますね。去年9月は大失速しましたが今年はそれがなかった。7連勝のあと阪神に大敗したときは嫌な思いもよぎりましたが、次の日にちゃんと勝ったことで選手のメンタルが強くなったと感じました」
では逆に、中日ファンは今年の自軍の低迷理由をどう見ているのか?
ツイッター上では「吉見の離脱と浅尾の不調とブランコの移籍。エースと4番が抜ければ、そりゃ弱くなります。あと、監督・コーチにOBを優遇したフロント」「今年のフロント、コーチ陣に勝とうという気が感じられなかった。それに加えて主軸の離脱。これでAクラスというのが無理な話」「監督(が悪い)とみんな言いたいだろうけど、そもそも高木監督を選んだのもフロント。チームが空中分解しているのに休養させなかったのもフロント。CS争いしているのに営業もせず、ドル箱と言われた巨人戦でも空席が目立ちまくる始末。これでは選手もモチベーションを維持できない」など、故障者の多さとフロント・首脳陣の責任を指摘する声が多かった。
一方、「落合黄金期の負の遺産」を理由に挙げるのは、名古屋在住で『名古屋メン』などの著書があるライター・大竹敏之さん。
「レギュラーの高齢化と若手の伸び悩みが最大の要因でしょう。落合さんは“勝てる監督”だったけど“育てる監督”じゃなかったですから、そのツケが今になって出た感じ。落合政権8年の間、野手で育てたのは森野の守備くらい。4番候補と指名した高橋光信や新井良太や中村公治、大器と期待された堂上直倫や森岡良介や野本圭を結局開花させられず、見限った打者(鉄平とか田上とか新井)は他球団で活躍。シーズンを通した戦局眼の確かさは空恐ろしいほどですが、打者の素質を見極める眼には首を傾げざるを得ません。出がらしのロートルと根腐れした若手ばかりの集団をバトンタッチされて『これで勝ってね』と言われても、そりゃ酷ってもんです。高木政権になった時点でこうなることは目に見えていたので、ほとんどの中日ファンは『やっぱりね』と納得してるんじゃないでしょうか」
その高木監督はすでに辞意を表明。次期監督には立浪、牛島、井上一樹らの名前が挙がるが、落合待望論も根強い。「他球団ファンからすれば、なぜ落合監督辞めさせちゃったの、他の球団は助かったんちゃうの、と不思議な気持ちです」(石田さん)との声もあるが、はたして……!? CSの行方とともに、中日の監督人事からも目が離せない! <取材・文/新保信長>
16年ぶりのAクラスで初のCS進出を決めた広島カープ。一方、中日ドラゴンズは12年ぶりにBクラスに転落した。明暗分かれた両チームのファンは、この結果をどのように受け止めているのか?
まずは、喜びに沸く広島ファンの声を。
「16年は長かった、とも思いますし、そんなに経ったのかと自分の年齢含めて驚きもあります。とりあえず、猫(カープの首輪をしています)とCS進出踊りを踊りました」とウキウキなのは、カープファン女子を主人公にしたマンガ
『球場ラヴァーズ~私を野球につれてって~』 カープファン女子が主人公!? |
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