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報じられなかった「韓国ネチズンの浅田真央応援の声」

【ソチ五輪】報じられなかった「韓国ネチズンの浅田真央応援の声」

「日本スケート連盟」公式サイトより

 ジュニア時代からゆうに10年以上にわたる浅田真央vsキム・ヨナのライバル対決の幕がおりてからすでに一週間以上が経過した。  ショートプログラムで16位に沈んだものの、その後のフリーで気迫のノーミスを達成し6位まで追い上げた浅田真央。そして2連覇を狙ったキム・ヨナは17歳のソトニコワ(ロシア)に阻まれ銀メダルを獲得。同時に、長きにわたるフィギュア“日韓対決”にも終止符が打たれる形となったわけだ。  常に比較され、敵対を煽られていた2人であるが、日韓間のスポーツ事情に詳しいスポーツライターはこのように語る。 「メディアでは浅田とキムのライバル対決を煽っていましたが、韓国や諸外国の世論はそこまで過熱しておらず、むしろ韓国で浅田はキムの陰の存在と見られていました。勝者側の余裕といえば嫌味な言い方になりますが、歴代の獲得点数を比較するとそうなってしまうのは致し方ない。また、当人同士が『リンクの外では友達のような関係だった』と公言するとおり、あくまでスケート仲間であり良きライバル関係だったわけです」  ツイッターだけを見ても、少なくとも競技直後のリアルタイム検索では浅田真央に対して敵対的な呟きはまったくなかった。 「どうしてなのか今日は心が痛い。今日は必ず成功させろよ……トリプルアクセルを」 ⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=597698 韓国ネチズン,浅田真央 あるネチズンは日本のテレビ局によるキム・ヨナ特集のリンクを掲げ「浅田真央をあげつらうのに忙しい韓国放送よりも断然良い内容。推薦します」としている。 韓国ネチズン,浅田真央「韓国人だけど…浅田真央が金でも銀でもいいから獲ってほしい(中略)真央の家庭の事情を思うとさらに応援したくなる」 韓国ネチズン,浅田真央 特にフリーでの会心の演技の後は、感動の声が多く上った。 「浅田真央の活躍で日本人はとても嬉しいだろう! 私も気分が良い!」 韓国ネチズン,浅田真央「浅田真央は昨日は心労がひどかっただろう。今日は最後の競技を終えてよかった! 最後は泣きそうになった。浅田真央頑張れ!」 韓国ネチズン,浅田真央「浅田真央が跳ぶたびに『転ぶな!』と叫んだ。まさか私の人生で浅田真央を応援することになるとは。でも今日ばかりは応援したかった」 韓国ネチズン,浅田真央 意図的に抽出したものではない。試しに浅田真央のハングル「아사다 마오」で検索してみると良いだろう。  また、金メダル候補と目されたロシアのユリヤ・リプニツカヤの演技後には浅田擁護の声さえも上がっていた。キム・ヨナの点数が不当に高いと批判する日本のネットユーザーに対し、彼らは浅田の点数がリプニツカヤより低いことに憤りを示していた。 「一度も転ばずにトリプルアクセルまで成功させた浅田真央より、転んで着地も不安定だったユリアが何点?」 韓国ネチズン,浅田真央「本当にロシアのhomebuff(地元開催びいきの意)は深刻だ。ロシアの子たちよりも浅田のほうが上手かったのに話にならない」 韓国ネチズン,浅田真央「ロシアで生まれなかったことが浅田真央がユリアに押される理由である」 韓国ネチズン,浅田真央「浅田真央のほうがもっと演技力があるし失敗もなかったし失敗もなかったし失敗もなかったし……クソ野郎ども」 韓国ネチズン,浅田真央「開幕式を見てモスクワに行きたいと思ったけど、浅田選手が転んでロシア人が歓声を上げるのを見て萎えた」 韓国ネチズン,浅田真央 このように、韓国ネチズンの間では浅田真央選手への批判以上に、ロシアに帰化したスピードスケートの韓国人選手ビクトール・アンがメダルを3個も獲得して韓国国内では物議を醸したことや、金メダルを獲得しアデリナ・ソツニコワ選手の判定について韓国ネチズンの間で不満の声が高まるなど、ロシアへの感情のほうが複雑なようであった。  そして、むしろ浅田の不調は日本のメディアのせいだと非難する声も上がっている。 「みんな転んでいるのに浅田真央だけ責めるの?日本の取材陣は取材パスを返納して帰って行ったって?自分たちが守ってあげるべき自国の選手でしょうに。転んでメダル圏外になったからといって「転ぶと思っていた」だなんて言う奴も、本当に根性が汚い」 韓国ネチズン,浅田真央 浅田真央選手に対し「あの子は重要なときに必ず転ぶ」と発言した森元首相に対するバッシングも苛烈だ。 「日本は表現の自由があるんだな(笑)」 韓国ネチズン,浅田真央「これが(元)総理の人間のレベルなのか?」 韓国ネチズン,浅田真央「浅田、今回は成功して森の口を閉ざせ」 韓国ネチズン,浅田真央 日韓でフィギュアスケート人気がこれだけ高まったのも、2人の功績に他ならない。長きに渡ってフィギュアスケート界を牽引してきた両選手に敬意を表したい。 <取材・文/安宿緑>
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