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【石巻市】いまだ続く心のケアに遺体捜索。瓦礫はなくなれど「復興」の日は遠い

東日本大震災から3年、マスコミ報道もかなり少なくなってきているが、状況はそれほど変わっていないという。震災復興は今どうなっているのか? 防潮堤は本当に必要なのか? 現地の声をリポートする!

<石巻市>心のケア、遺体捜索etc. まだ震災は終わっていない

宮城県石巻市 宮城県石巻市は津波により市内の平野部の約30%が浸水、被災住宅数は76.6%と、市町村単位では最も大きな被害を受けた。海沿いの地域を訪れると、震災直後は山積みになっていた瓦礫や被災車両は集積所へ移動され、空き地が広がっていた。

 だが、「瓦礫が片付けられただけで、復興したとは言い切れない」と内海徹さんは語る。39の仮設住宅の自治会からなる「石巻仮設住宅自治連合推進会」の事務局長で、自身も津波で自宅を失った。「仮設住宅の人々の多くが先行き不透明な不安を抱えている」と言う。

「仮設住宅の耐用年数は数年程度。震災から3年目を迎え、床や天井が歪んできている仮設住宅も出てきています。カビや結露などの問題も深刻。仮設住宅に入れなかった人々のために民間のアパートなどを県が借りあげている『みなし仮設』も、被災者がばらばらに住むので、仮設住宅のような支援を受け難く、入居者が孤独死する危険性もあります。

内海徹氏

石巻仮設住宅自治連合推進会事務局長の内海徹氏。入居者見守りや交流会企画、行政への提言などの活動を続ける

石巻市は被災者向け公営住宅、いわゆる『復興住宅』を4000世帯分準備する計画ですが、市内の仮設住宅の入居者は約6500世帯。さらにみなし仮設の入居者も約4400世帯。復興住宅は全く足りていない。

また、経済的な理由から入居できない被災者も少なくないでしょう。仮設、みなし仮設と異なり、復興住宅は家賃を払う必要があります。震災以前は自身の持ち家にいた人たちは、今後家賃を毎月支払うことは難しいでしょう。生活保護も提案していますが、なかなか申請したがらない人が多い。働けたとしても、就職先がないという問題があります」(内海さん)

 震災による精神的なダメージから心の健康をどのように取り戻すかも復興の課題だ。独立行政法人国立精神・神経医療研究センター内「災害時こころの情報支援センター」情報支援研究室長の渡路子医師は「現地の行政機関も心のケアの必要性を訴えていますが、まだまだ支援を必要とする人々がケアを受けられていないのが実情」と語る。「精神的医療というと、非常に敷居が高い印象があり、当事者が『自分はおかしくない』と拒絶反応が出てしまいます。特に東北の人々は我慢強く、ツラくてもなかなかそれを口に出さない。症状に自覚がない方も少なくありません」。

「復興」の中で完全に取り残されているのが、肉親が行方不明となっている被災者たちだ。

 宮城県、岩手県の各地で行方不明者捜索を行っているDSP災害支援プロジェクトの門馬宏明さんはこう訴える。「今なお2600人の人々が行方不明のまま。家族や友人を見つけて欲しいという被災者の方々は数万人に及ぶでしょう。それなのに、行方不明者の捜索には予算がつかず、行政機関による捜索は一か所あたり数人程度と小規模で、月命日にしか行われないのがほとんど」。門馬さんらは、少ないときで数人規模、多いときで50人規模で捜索を続け、これまで遺骨などの行方不明者の身元特定の手がかり300件を見つけ出してきた。

「リアス式海岸など複雑な地形のため、まだまだ捜索していないところは多いのです。捜索すべき範囲は広大で、私たちの捜索活動も、本当は一回あたり300人くらいの人手が欲しい。ただ、多くの学生さんなどにボランティアに来てもらうためには、交通費の補助や捜索に必要な道具をこちらで揃えて体一つで来てもらえるようにすることが必要です。人手だけでなくお金も全く足りていません」

 被災地域ごとに、ニーズはそれぞれ異なる。復興予算を地元が必要に応じて使えるようにならなければ、なかなか復興は進まないのではないか。

行方不明者捜索

行方不明者捜索中のボランティアたち。「復興事業での埋め立ての前に」と捜索依頼が増えている

【石巻市】
一自治体としては最大の被害を被り、死者・行方不明者、関連死などを合わせると犠牲者は約4000人。入札不調も深刻で、一昨年度は6割、改善した昨年度も2割近くが入札不調。学校などの公共施設や、海沿いの漁港の修復が遅れている

― 3.11[進まぬ復興]現地ルポ【4】 ―

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