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井岡越え確実か!? “怪物”井上尚弥が最速記録でWBC世界王座に就く理由

井上尚弥 4月6日に大田区総合体育館にて開催されるWBC世界ライトフライ級タイトルマッチで、世界王座奪取を目指す“怪物”井上尚弥(20=大橋)。プロ6戦目で王座を獲得すれば、井岡一翔(井岡ジム)の7戦目(’11年、WBCミニマム級)を抜いて、日本最速記録となる。  井上尚弥といえば、ボクシング史上初の高校生アマチュア7冠達成、国内最速タイ記録での日本、東洋太平洋王座獲得と数々の記録を打ち立て、大橋会長をして「何年、何百年に1人というレベルではなく『怪物』です」と言わしめた期待のボクサー。  今回のタイトルマッチでも、同ジムの先輩で、WBCフライ級の3度目の防衛戦がかかる八重樫東(31=同)が、「僕も7戦目で失敗しているし、歴史的な一戦はゆっくり観たい」と申し出て、メーンを譲るほど内外から期待が高まっている。  また井上は、そのボクシングのトレーニングスタイルも注目を浴びており、スポーツライターで、アマチュア時代から井上尚弥選手を追っている善理俊哉氏は、「これまでのボクシング界では『子供を強くしたければ、父親はベテランのトレーナーに預けるべきだ』という定説がありました。井上はそれを覆し、今も家族でボクシングに取り組む方針を取っていて、これこそがかつてない教育と結果を生んできたんです。ボクシング界のまぎれもない新人類ですね」と語る。  それでは今回のタイトル戦にかかっている最速記録は達成できるのか? ボクシングチャンピオンのアドリアン・エルナンデス(28=メキシコ)のボクシングは荒削りで、序盤に苦戦することの多いスロースターターです。しかし、29勝(18KO)2敗1分の戦績が示しているように、高い安定感を誇る百戦錬磨です。井上には未知の部分も多く、5戦のキャリアでどれだけ成長しているかが問われそうですね。井上の強打がエルナンデスのアゴをとらえる展開は大いに期待できますが、やってみないとわからないハイリスク・ハイリターンな戦いと見ていいと思います」  と、善理氏は緊張感のある展開になると予想。  井上自身は、「世界チャンピオンはあくまでスタートライン。僕の本当の目標は、具志堅用高さんが選手時代に残した13度の王座防衛を越えることです」と語っている。  いずれは、井岡一翔とも統一戦で拳を交えるであろう井上のボクシングストーリーから、目が離せない。 <取材・文/日刊SPA!取材班> ※井上親子のボクシングとの出合いから、チャンピオンになるまでの育成法、そしてその先に目指すものを父と子それぞれの視点から描いた新刊『真っすぐに生きる。』が発売中 【井上尚弥】 1993年4月10日、神奈川県座間市生まれ。身長163cm。中学3年のときに第1回全国U-15大会・優秀選手賞を受賞。アマチュアボクシングでは相模原青陵高校(新磯高校)時代に高校タイトル5回、全日本選手権1回、インドネシア大統領杯1回を制し、戦績は通算81戦75勝(48KO・RSC)6敗。プロボクシングでは2013年8月に4戦目で日本ライトフライ級王座を獲得し、同年12月に5戦目で東洋太平洋同級王座を獲得。戦績は2014年3月現在5戦5勝(4KO)無敗
真っすぐに生きる。

スタートラインは世界チャンピオン

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