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結核にかかるとどうなるの? 感染経験者JOYさんに学ぶ

 7月2日、名古屋市の高校で結核にかかった40代教師から、生徒や卒業生39人の感染が発覚するなど、最近特に若い世代での集団感染が問題になっている「結核」。実は、SPA!でも本紙記者が発病し、感染症指定病棟に入院中だ。  果たして結核にかかるとどういうことになってしまうのか。2011年に結核で入院し、「ストップ結核パートナーシップ日本大使」に就任しているJOYさんに、当時のことを改めて聞いた。 ====================================
JOYさん

JOYさん

 僕は’11年3月に結核で入院しました。最初に体調がおかしいなと思ったのはその9か月前、’10年6月のこと。1か月も咳が止まらず、内科と耳鼻咽喉科を受診しました。すると風邪、咽頭炎との診断。その後治療を続けてきたのですが、いっこうに咳はおさまりません。  1日に3~4本の収録があり、仕事が休みなく入っていたので、咳をごまかしながらテレビ番組に出続けていました。ペットボトルの水を足元に置いて、それをこっそり飲んで咳を抑えて。食事もままならないほど忙しかった。  年末年始にかけて咳が悪化し、寒気と震えが止まりませんでした。その後も咳と発熱を繰り返し、これはマジでやばいと思った。年明けの2月下旬、耐えきれずに救急外来に駆け込みました。そこでも診断は「風邪」。その後、救急病院にも何度も行きましたが、同様に点滴を打たれ薬を処方されただけ。まったく症状はよくならない。そして3月、何度目かの救急外来で初めてエックス線と痰の検査をされ、「肺結核」がかなり進行していると診断されたんです。  結核の知識はまったくなく、「昔の病気でしょ?」と思った。ハリセンボンの(箕輪)はるかさんもなってたなーと。「即時入院」と言われ、重い症状なんだということだけはわかりました。でも、今までの苦しみから解放される……と、ちょっとホッとした気持ちにもなりました。  周りの友達やスタッフも結核がどんな病気かわからないので、入院して仕事はどうするかとの心配しかしていなかったんです。  入院後の体調は最悪。40℃の高熱が続き、眠れないので睡眠薬を飲んでいました。食事ものどを通らず、シャワー室までの10mの距離も、ハアハアと息があがってしんどかった。「オレ、このまま死ぬのかも」と思った。対応する体力がないので、両親の見舞いも断っていた。そんな中、友人のユージは2回見舞いに来てくれました。  約100日間の入院の後、菌を排出しなくなったとのことで体調が戻らないまま退院。ベスト体重からマイナス13kgの状態でした。薬の副作用で38℃以上の熱が出て、立っているのもつらい。退院して「普通」に収録をこなすのも本当にきつかった。  でも僕は今、結核になってよかったと思っています。まず自分の体を優先に考えるようになった。以前は無理をして我慢ばかりしていた。今は体調がおかしいと思ったらすぐ病院に行くし、ある程度、できないことは「できない」と言えるようになりました。  僕が「ストップ結核パートナーシップ日本大使」になったのは、若い人にもっと結核を知ってほしいから。若さにまかせて無理を重ねて頑張りすぎ、症状を悪化させる人が多いと思う。もっと自分の体を大事してほしい。咳が続いたら、すぐに病院に行ってください。気づかない医者も多いので、ぜひ自分から「結核じゃないですか?」と聞いてみてほしい。(談) <取材・文/週刊SPA!編集部>
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