関西の“ひっかけ橋”、条例施行でその名が完全に過去のものに!?
’80年代~’00年代にかけて、ナンパ師が日夜あの手この手で女のコを引っかけるナンパの“聖地”がいくつもあった。そうした場所はどうなったのか? 現状を探ってみた
◆関西随一の“ひっかけ橋”も今やナンパ師は敬遠
関西屈指のナンパスポットといえば、大阪・中央区の道頓堀川に架かる“戎橋(通称、ひっかけ橋)”が有名だが、ここではまことしやかにささやかれている不思議な噂がある。
その一つが、「他県民がナンパをする際、『1時間数百円』の料金がかかる」というもの。
「10年以上前に、ひっかけ橋で男3人でナンパをしようとしたら、橋の手前に地元のチンピラが集まっていて、関所のような形で料金を徴収していた。払ったのは2時間で1000円ほど」(39歳・会社員)
ちなみにナンパの成功・不成功に限らず、料金は必ず徴収されたとか。
また、中には「普通に標準語で声をかけるだけで、『ドラマみたいやんなあ!』と食いつきがハンパない。特に観光地化していない関西のマイナーな駅前がいいですよ」(27歳・製造)ということもあるが、基本的には関西でのナンパは関西弁が必須。それゆえ、「夏休みのシーズンになるとひっかけ橋がエセ関西弁の男の集団で埋まった」(34歳・歯科助手)という伝説もある。
そんな伝説的ナンパスポットも、’07年に橋が新しい橋へと架け替えられると、次第にナンパからホストのキャッチやキャバクラのスカウトに橋の覇権が移っていき、ナンパの数も昔に比べだいぶ減ってくることに……。
結果として、「ひっかけ橋にはプロのキャッチが何人も張っていて、ナンパの声かけがうまい男がいたら即スカウトされるらしい。ナンパの聖地でありつつ、今ではキャッチの採用試験場と化している」(28歳・営業)という伝説まで生まれるようになった。
そんな「ひっかけ橋」だが、そうしたスカウトやキャッチも減りつつある。
というのも、5月に、悪質な客引きに対して大阪市が「大阪市客引き行為適正化条例」を制定したのだ。この条例で、客引き行為の禁止区域に指定されれば、いかなる客引きも中止するよう指導でき、5万円以下の過料を科することもできるようになるという。
この禁止区域の指定が10月から始まったため、「ひっかけ橋」という名前も完全に過去のものになってしまうのかもしれない。
― ’80年代~’00年代、あの[ナンパスポット]の今【7】 ―
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