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日本の労働環境は欧米より劣悪なのか? テキサス親父が「日本はダメ論」を一刀両断

トニー・マラーノ氏

「それぞれの国の現状に適した労働文化・環境がある!」とテキサス親父

 シー・シェパードなど欧米のリベラリズムや、中国・韓国の横暴を激しく批判するテキサス親父ことトニー・マラーノ氏が、次はアメリカ保守論客の立場から「日本はダメ論」を一刀両断中。日本の労働文化、労働環境について持論を展開した!

Q.「日本の労働環境は劣悪」だと言われますが、どう思いますか?

A.世界に比べると悪くないと思うぜ。大変な職種もあると思うが、プライドを持って働いてほしいぜ!

 日本では「過労死」が長年起きているよな。これをみた世界の一般的な意見としては「自殺するくらいに辛かったなら、どうして会社を辞めなかったんだ?」ということだろうな。確かに、これはあってはならないことだ。

 かといって、日本が欧米の労働環境とまったく同じようになってしまったら生活基準そのものが覆るぜ。例えば俺がフランスに行ったとき、2時半くらいにレストランに入ったんだが、注文を取りたくても店員が来ない。30分ほど経ってやっと店員を捕まえたら、「もう3時だから注文できないよ」って言うんだ。「だったら、ショーウィンドウにあるクロワッサンをくれ」って頼んでも「駄目だ」って。日本人ならすぐに注文を取っただろうけどな。

 それに、たとえば西ヨーロッパでは平気で2か月もバカンスを取るよな? それだけ聞くと、ヤツらの文化は優れているように見える。だけどその間、仕事のパートナーのことは考えていないってことだ。日本人からすると、何ヶ月もバカンスを楽しんでいる相手となんか、まともに仕事したくないんじゃないのか? 俺ならごめんだね。

 こんな不条理なことでさえ「社畜のように働く日本人よりも、自分のスタイルを貫いているなんて素敵じゃないか」と反論するヤツらもいるだろう。そして、続けてこう言うんだ。「早く日本を出たほうがいい」ってな。

 おいおい、アホじゃねえのか?

 アメリカ人なんて出勤したときから、帰ることしか考えてないし誰一人仕事にプライドなんか持っちゃいない。客に笑顔をつくるのも、1ドルでも多くチップをもらいたいからだ。アメリカや西欧では労働はパニッシュメント(罰)であるという文化があるからな。ただ、それだけのことであって別に素敵でもなんでもないぜ(笑)。

 まったく、グローバリズムを真似したいだけのワナビーたちは、物事を切り取って都合のいいことしか言わないよな。

 ただ、こうやってオッサンが好き勝手にしゃべってるだけじゃ説得力がないってんで、俺も日本の統計局にある「世界の労働時間」に関するデータを見せてもらったぜ。この「世界の統計2014 第12章 労働・賃金」(http://www.stat.go.jp/data/sekai/0116.htm#c12)によると、日本の一週間の労働時間の長さは男女平均で40.9時間。これまで日本は「ワーカホリック」と揶揄されていたが、アジア諸国のマレーシアで48.2時間、サウジアラビアなんか50.4時間だぜ! サービス残業などの公表数字にあらわれない労働時間もあるだろうが、昔の日本は土曜日も働いていたというから、それに比べると労働条件は改善されているんじゃないか?

 また、国によって雇用形態がちがうので単純に比較しても仕方がない部分もある。

 一方、労働者一人あたりが、どれほどの付加価値を生んだかを示す指標である「労働生産性」だけでみると日本の労働生産性実労働時間の割にそれほど高くはない。

⇒【グラフ】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=711961

OECD加盟国の労働生産性※公益財団法人 日本生産性本部「日本の生産性の動向 2012年版」より http://www.jpc-net.jp/intl_comparison/intl_comparison_2012_press.pdf

 ただし、これは国の産業形態や業種によっても差が出てくるわけだし、あくまでもこれは国全体の産業の和を単純に就労者数で割った平均値でしかない。

 上位にあるのは、人口が少なかったり、金融など付加価値の高い産業が強い国ばかり、アメリカの場合、生産性の低い組み立てなどはメキシコなど他国に投げて、生産性を上げているんだ。アメリカは上位1%の富裕層が総所得の20%、上位10%が総所得の50%を握っている国だぜ(2013年カルフォルニア大学の調査結果より)。

 上位10%に入れなければ悲惨だぜ、貧富の差が激しく中流が少ないんだからな。

 だから、数字だけで見ても仕方がない。もっと実情に照らして多角的にみていくべきなんだ。先の日本政府統計局のデータによると、あくまでも平均だが俺らアメリカ人の労働時間が33.7時間で、イタリアが34.6時間だ。アメリカの時給が平均$20.6だから、平均時給は2100円ってことになる。少ない労働時間で十分にもらっていると思うだろうが、物価の高さや税金、保険料率や社会保障制度などはまったく考慮されていない。自由診療が基本のアメリカでは、骨折で1日入院しただけで1万5千ドル(約150万円)したケースもある。

「オバマ・ケア」という国民皆保険制度に似たものもあるが、国家予算が下りずにまともに機能していないんだぜ。社会保険があるってだけでも日本の労働環境は世界基準で十分優秀なんだ。

 それに、日本は平和な国だよな? コンビニで仕事をしていてもいきなり銃を突きつけられることはないし、道を歩いていても強盗に襲われる心配もない。治安が極悪のアメリカに住んでいる俺からすると、少なめの労働時間で同じくらいの給料をもらっていても、安全な暮らしというのはお金を払ってでも欲しいものだ。

 つまり、何でもかんでも海外の文化を取り入れればいいってもんじゃないんだぜ! その国には、その国の実情に即した労働環境、労働文化というものがある。ひょっとしたら日本の「知識人」は先進国といえばアメリカや西欧のことだと勘違いしてるんだろうけど、俺からしたら日本だってとっくの昔から先進国なんだけどな。

 もちろん「ブラック企業」や過労死なんてのはもってのほかだが、日本人には周りの意見に流されずに、プライドを持って働いてほしいぜ。 <取材・文/日刊SPA!取材班>

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