日本発の家電メーカーが世界市場で躍進している
「日本のモノ作りが危うい」との言説を蹴散らすかのごとく、日本発の家電メーカーが世界市場で躍進している。その潮流を追った。
◆大手の衰退&技術革新で参入障壁が低くなった!
大手電機メーカーを飛び出し、’07年にインターネット連携家電メーカー「CEREVO」を立ち上げた岩佐琢磨さん。動機を尋ねると、声を弾ませてこう語る。
「すごくシンプルに言うと、まだ世の中にない商品を作りたかったからです。そうした製品を大手に所属しながら作るのは難しくなってしまっているんですよ」
目まぐるしく技術が進化しトレンドが変わっていく今、従来と同じ開発プロセスを取る大企業では、時代に合った商品を作りづらい。一方で小規模、小資本でも商品が作れる環境が整ってきたことが岩佐さんを後押しした。
「大きなメーカーが苦手とする小回りを利かせた製品開発や、ニッチで面白い商品を出せるのが、小さなメーカーのメリットです。ソーシャルメディアが浸透した今は、大企業のように莫大なプロモーション費用をかけなくても、商品の魅力を世界中に伝え、認知度を高められる可能性もありますし、挑戦しやすくなっている」
’11年にラスベガスで開催された世界最大級の家電製品の展示会「CES」の会場を、岩佐さんは自社製品を使ってネット動画配信サービスで実況中継。その様子は世界中のメディアで取り上げられ、結果として自社製品を無料でプロモーションしたことになった。
「消費者にワオ!と驚いてもらえるような商品を世に送り出したい。もうすぐ発売されるOTTOにも注目してほしいですね」
OTTOとはスマホで制御できる美しすぎる電源タップで、近日中に発売予定だ。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=735566
●OTTO/CEREVO<セレボ>
無線LANを搭載した電源タップ。外出先からスマホアプリで8つの電源をON/OFFできるのが特徴だ。また8つのうち2個口は、調光対応の照明器具とつなぐことで、明るさの調整をアプリ経由で行える。近日発売予定
【岩佐琢磨さん】
CEREVOの代表取締役社長。’03年から’06年まで松下電器産業(現パナソニック)にてネット連携家電の商品企画を担当した。その後、CEREVOを立ち上げる
― “小規模・独立系”家電メーカーの逆襲【1】 ―
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