最近多い「プレミアム商品」、本当にプレミアム感は味わえる?
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◆缶コーヒー、缶ビール、エナジードリンク、レトルトカレーのプレミアム感
ジャンルは「缶コーヒー」「缶ビール」「エナジードリンク」「レトルトカレー」の4つ。缶コーヒーの「プレミアム」は今年、ヤフーニュースのトップでも何度か紹介されるなど、どうやら“ジワジワ来ている”新ジャンルのようである。エナジードリンクについては「プレミアム」は銘打っていないが、明らかに価格が高いものを「プレミアム」に準ずるとする。
「プレミアム」なものとそうではないもの両方を飲食し、“「プレミアム」と銘打ったものがどれだけリッチな気持ちに浸れるか”という点について、各人の実感(そう思わされている可能性もあるが……)を探ってみる。価格は自販機で購入したものは税込。他は税抜である。
【缶コーヒー】
・キリン 別格希少珈琲:216円
・サントリー プレミアムボス:123円
・DyDo泡立つデミタスエスプレッソ:130円 ※自販機
・UCCブラック プレミアムドライ:120円 ※自販機
・日本コカ・コーラ ご褒美ラウンジ:120円 ※自販機
ジョージ:なんかどれも仰々しいなぁ。
モー:金色にすれば高級感が出ると考えているのかもね。
K:「別格」はデカいね! 370mlもあるから単価は高くないかも。
モー:これ、飲みやすい。370mlくらいすぐ飲めそう!
ガチャ:でも酸味が強いかもね。
ジョージ:“甘みとコクが特長の希少なブラジル産黄金豆「ブルボン・アマレロ」だけを使用。さらに希少糖をミルクを合わせた”ってすげー! 「黄金豆」ってすごいね!
ジョージ:「ご褒美ラウンジ」は、「ご褒美」なんて言われたせいで有難味がある。
ガチャ:味はどうなの?
ジョージ:よく分からない(笑)
モー:「プレミアムボス」は史上「最高峰のコク」だそう。飲みやすいのは、いい豆を使っているからなのかな。
ガチャ:なんか、「ボス」という名前に「プレミアム」とついたことで、とっても立派な感じ(笑)。超偉い人、みたいな感じになってる(笑)
ジョージ:「泡立つデミタスエスプレッソ」、うわ、パッケージに書かれた通り10回振ったら振れなくなった!
ガチャ:どういうこと?
ジョージ:とにかくやってみてよ。
全員:(一様に振ってみるも中身が動く気配がない。中で泡立ち容器の上部にまでエスプレッソが到達したためだろう)
モー:においからして「淹れたて」感があるね。
ガチャ:またパッケージに誘導されて!
モー:いや、案外そう思うよ。酸味があるね。モカ系が好きな人にはいいんじゃないかな。豆を「挽いた」&「ローストした」感があるね。
ジョージ:案外コーヒーに詳しいんだね!
モー:ウヒヒ。
ジョージ:「UCC BLACK無糖 PREMIUM DRY」は……。あれ、どういうことだ、水っぽい。薄いなぁ。いや、缶コーヒーのブラックとしては納得の味ではあるけど、プレミアムかどうかわからない。
ガチャ:なんで? プレミアムなのに。
K:私のイメージしている「ブラック」と違う……。
ジョージ:缶コーヒーの場合、キリンの「別格」みたいに“甘みとコクが特長の希少なブラジル産黄金豆「ブルボン・アマレロ」だけを使用。さらに希少糖をミルクを合わせた”みたいな薀蓄がまずあった方が、プレミアム感は出ますよね。
モー:「プレミアム」もので大サイズは珍しいから、お得だよね(笑)
ジョージ:あと、「プレミアム ボス」みたいに、ネーミングがわかりやすいのもいいですね。「ボスのなかでも凄いんです」みたいな。
ガチャ:ネーミングといえば、「振ったら泡が立つ」も!そのまま過ぎ(笑)。でもマジメな話、これは“おおっ”というイベント感に加えて、缶コーヒーとしては「泡」というまさかのリッチ感もあって、「プレミアム」の中でも異彩を放っているよね。
K:10円高くても構わない(笑)
<結論>缶コーヒーはパッケージとネーミングが重要。あとは10円高くさせるための何らかの「工夫」が重要。
【缶ビールを検証】
・サントリー ザ・プレミアムモルツ:245円
・サッポロ エビスビール:256円
・アサヒ ザ・エクストラ:221円
・キリン 一番搾り(通常商品):221円
ガチャ:最近どこの店にいっても「ザ・プレミアムモルツ」見ますよね。
K:私は飲食店に勤務していたことがあるのですが、サントリーの営業が強いんですよ!
モー:なんか、プレモルが置いてあるといい店、みたいな空気もできているよね。
ジョージ:プレモルはフルーティで高級感はありますよね。
モー:「ザ・エクストラ」、これ凄い!!! アルコール度数6.5%って何これ! ベルギービールか!
ガチャ:うわ、これ、どっしり来るね! 私はサッパリ系が好きなのでちょっと苦手かな。
K:だったら「一番搾り」がいいんじゃない?
ガチャ:そうね、こんな感じがしっくりくるかな。私は普段サッポロ黒ラベルを飲んでるんで、このサッパリした感じがいいなぁ。
ジョージ:「エビス」はなんというか、安定だね。麦芽100%を昔から謳っているからかもしれないけど、「昔ながらの堅実なビール」って感じがする。えっ? 256円もするの。まぁ、いいんじゃない?
モー:ビールに関しては、今や発泡酒とか第三のビールも美味しくなってるから、プレミアムビール自体の価値が減ってる気がするんだよね。サントリーだってもはや普通のモルツはあまり力入れて売っていないし、プレミアムがプレミアムでなくなっているジャンルな気がする。
ジョージ:酔っ払って味が分からないだけじゃないの?
全員:ガハハハハハ!
<結論>プレミアムビールは有難味が減っている
【エナジードリンク】
・レッドブル:206円
・リゲイン エナジードリンク2000:232円
・リアルゴールド(通常商品):120円 ※自販機
・オロナミンC(通常商品):113円
ジョージ:う~ん、「オロナミンC」、もう生まれた時からずっと飲んでるから、安心の味だね! おいしい!
モー:「レッドブル」、うわ、これ、頭がカッカしてきた!
ガチャ:そんなにすぐ来るものなの?
モー:だって206円もするんだよ! 効いて欲しいよ(笑)
ガチャ:だったら「リゲイン エナジードリンク2000」は232円もするんだからもっと効くんじゃない?
モー:うわっっ、頭がカッカするどころじゃなくて、突然性欲が湧いてきた。
全員:ンなワケないでしょ!
K:「リアルゴールド」は、この中ではもっともソフトドリンクっぽい味ですよね。オロナミンCと同じ値段で70ml多いからおトク感がある。
ガチャ:今日は「プレミアム」の良さについて語る回だよ! リアルゴールドは「通常商品」の基準として考えてね。
K:だとすると、やっぱりレッドブルのガツンと来る「効いてる感」がやっぱりプレミアムなんだろうね~。
ガチャ:私が前にIT系のブラック企業の人から聞いた話があるんだけど、「ウチの会社がいかにブラックか分かるのは、コカ・コーラの自販機があるのですが、いつもリアルゴールドだけが先に売り切れるんですよ! どんだけチャージしたいんだ!」って言ってましたね。
ジョージ:あ、それはウチの会社でも言われてるよ。
モー:だったらこの中だったら何を買う?
K:本当に気合いを入れたかったら一番高い「リゲイン」かな……。普段だったらオロナミンCかリアルゴールド、どちらでもいいかな。
<結論>エナジードリンクは高ければ高いほど「効果あり」だと思われる。
【レトルトカレー】
・7ゴールド 金のビーフカレー:358円
・7プレミアム ビーフカレー中辛(通常商品):91円
・ハウス カリー屋カレー中辛(通常商品):128円
モー:あっ、これは358円のやつ、別格だ……
ジョージ:キリンのコーヒーか!
ガチャ:た、確かに……。これはおいしい。肉がすごい、柔らかい。
K:他のはなんというか「スキー場の食堂のカレー」みたいな感じがしますよね……。
ジョージ:レトルトカレーに本格的な味とかは求めていないけど、358円のコレは店で出されても違和感ないレベルじゃない?
ガチャ:でも、他の2つも、1個90円ぐらいのパックご飯と合わせて200円程度でカレーライスが食べられると考えたらコスパはまったく悪くないよね。
ジョージ:いや、でも、今回の4ジャンルで「プレミアム」を感じたのはやっぱりカレーだったね。これはおいしいよ。
モー:僕たち、いつでも「プレミアム」な商品買えるぐらい稼ぎたいよね……。
ガチャ:モー君、時々タクシー乗ったりしてるけど、それやめればいつでも「プレミアム」は買えるよ!
モー:ガハハハハハ、そうだね!
<結論>さすがに4倍の価格差であれば、材料費もかけられるし、美味しくできる。これはプレミアム感満載!
【総括】
「7ゴールド 金のビーフカレー」は通常の7プレミアムの約4倍の価格なだけに、「これは別格すぎるよ」という声が相次いだ。そして「プレミアム商品」の結論としては「数十円高い程度であれば、実際はそんなに味は変わらないかもしれないけど、雰囲気はいいよね。それくらい払ってちょっと金持ちになった気分に浸れるのはいい」とのこと。
そして実際にどれだけ味が違うかなどについては、「正直そこまでは分からない。でも、エビスのように『プレミアム』のイメージが定着しているものや、『泡立つデミタス』みたいに何らかの特殊装置がついていると、納得感は高くなるかも」(K)といった意見も出て、「+α」の何かがあればあるほど数十円の違いを消費者は払って良いと考えるのだろう。
また、エナジードリンクについては「リゲインエナジードリンク2000」が232円する一方、「リゲインエナジードリンク」が185円ということで、この47円の価格差が「より効く」という印象を持たれたようだ。
プレミアム商品、今後もますます増えそうな気配であるが、アナタはどんな商品を手にと取っていますか? <取材・文/中川淳一郎>
最近、やたらと「プレミアム」を謳う商品が世に溢れているが、これらは本当に「プレミアム」なのか。いや、実際のところは「10円高い」「20円高い」「量が少ない」程度のものではあるものの、普段買っているものよりかは若干のリッチ感があるし、庶民ながらの「ちょっとした贅沢」を味わうことができる。
しかしながら、松屋が290円の牛めしを380円の「プレミアム牛めし」に切り替えたものの、「特製の黒胡麻焙煎七味」はついてくるという利点はあったが、ネットでは、「違いがよく分からない」という声のほか、「今の値段で、あの味より前の値段の味が良かった もう行きません」「実質値上げだろ」といった批判も出たものだ。
とはいっても、松屋としては「チルド牛肉を使っているため、うまみ成分のグルタミン酸が冷凍牛肉の2.5倍」などそのプレミアムさをアピール。一応プレミアムの「根拠」があるということだろう。
昨今、こういった「プレミアム」関連の商品は様々なジャンルで登場しているが、本当に「プレミアム」なのか? ちゃんと消費者が「プレミアム」と感じることができるのかっ!? ……ということを検証すべく、さまざまな「プレミアム」商品を消費者4人で飲み・食べ比べ、果たして「プレミアム」は本当にプレミアムな感覚を得られるのかをチェックした。
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