銭湯で「露天風呂を占拠して騒ぐ」迷惑な若者客たち。“腕っぷしの強そうな客”に「お前ら周りを見ろ!」と一喝された結果…
広くて温かいお風呂に心身がトロケる癒しの空間、銭湯。かつては昭和時代の遺物かのように見なされていた時期もあったが、現在では心身への健康効果や湯船で手足を伸ばせるレジャー性などが見直され、「サウナ」&「ととのい」ブームが一段落した感のある現在も新たな銭湯ファンが増加している。
とりわけ都市部では10代~20代の若年層が増加傾向で、訪日中の外国人観光客(インバウンド)と思しき人々も見かけるように。店舗の建て直しやリノベーションでデザイン・設備を一新するニューウェーブ銭湯も増えており、なかでも人気店は休日の大混雑も珍しくない。
一方、銭湯の客層が世代交代することに伴い、浴室内での大騒ぎや不快行為といったマナー違反も目立つようになった。ここでは都内銭湯巡りを趣味として11年目の筆者が遭遇したなかでも、特に印象的だった迷惑事例&迷惑客を紹介していく。
銭湯の大きな浴槽に身を委ねると、身体の疲れやコリだけでなく気持ちもスーッとほぐれていくものである。特に親しい友人・知人同士で銭湯に入れば、心の緩みから普段以上に会話やコミュニケーションがはかどるのも自然な効能かも知れない。だが、なにごとも程々が肝心である。
以前見かけたケースでは、中庭のような形になった露天風呂スペースを、10代後半~20代と思しき若者が複数人で占拠していた。彼らは露天風呂のフチに腰かけて談笑に興じており、湯船に浸けているのはふくらはぎから下だけ。そこは足湯用の場所ではないのだが……。
湯船そのものは中央が空いているのだが、若者達が背中で完璧ガードしており、中まで入りたくても入れない。しかも露天風呂では大声が外への騒音となるため「お静かに!」と注意書きされているが、若者達は話が楽しすぎるせいか、お構いナシに大爆笑である。
十数分ほど経った頃、腕っぷしの強そうな客が「お前ら周りを見ろ!」と一喝。若者達はシュンと無言のまま露天風呂から撤退していった。湯船の周りをふさがず、声量も控えで普通に入浴しておけば、彼らも友達同士の楽しい会話を続けられたはずである。
銭湯では背中などに強く泡を当てるジェットバスや座風呂、低周波電流で筋肉マッサージする電気風呂など、マッサージ機能のついた浴槽設備も珍しくない。気持ちよさのあまりつい長居したくなるが、そこを使いたいのが自分だけでないことは忘れない方がよいだろう。
こうした設備は銭湯ひとつにつき1箇所だけか、多くても2~3箇所ということが多い。にもかかわらず、そこを一部の銭湯客が長時間にわたって使い続け、結果的に他の客が利用できなくなることがたびたびある。特に目立つのは、そこに長年通っているであろう高齢の常連客が居座るケースである。
ジェットや電気風呂などによる身体への恩恵や快感は、若年層より中高年層の方が大きくなる。その効果をなるべく多く享受したい気持ちは分かるのだが、銭湯は知らない人同士でゆずり合う場。若い銭湯ビギナーに規範を示す意味でも、数分程度で他の人に明け渡してほしいものだが……。
露天風呂を大人数で包囲し、大声でゲラゲラ
なぜジェットバスや電気風呂から一向にどかないのか
東京都在住。2024年にフリーランスとして独立し、ライター業およびイラスト業で活動中。ライターとしては「Yahoo!ニュース」「macaroni」「All Aboutニュース」などの媒体で、東京都内の飲食店・美術館・博物館・イベント・ほか見所の紹介記事を執筆。プライベートでも都内歩きが趣味で、とりわけ週2〜3回の銭湯&サウナ通いが心のオアシス。好きなエリアは浅草〜上野近辺、池袋周辺、中野〜高円寺辺りなど。X(旧Twitter):@Dejavu_Raw
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