“日本一頭が良い女子校”から「大学を四留→中退→フリーター」に…“学歴で挫折した”24歳女性の現在地
女子校における東大合格者数ランキングにおいて、不動の首位を誇る桜蔭学園高等学校。2024年の合格者数は2位(豊島女子学園、女子学院)に倍以上の差をつけて王座に君臨する、日本一の女子校だ。女優の菊川怜氏、実業家の経沢香保子氏、アナウンサーで気象予報士の磯貝初奈氏など、卒業生が他分野にわたって華々しい活躍をしている。
能力を最大限生かして泳ぐ才媛がいる一方で、もがく人もいる。現在24歳、これから通信制の大学へ通うというぺろぴーさん(@peroperopi67)も桜蔭中学校・高等学校の卒業生のひとり。SNSの肩書に「桜蔭、横国四留中退、フリーター」の文字が並ぶ。2022年8月には自殺未遂をし、精神科病院の閉鎖病棟へ入院した。彼女はなぜ生きることにくじけてしまったのか。今の心境を聞いた。
「小学校のときから、発達障害の気はあったと思うんです。どうしてかはわからないのですが、気がつくとみんなの輪から外れてしまって、自分だけひとりというシチュエーションが多々ありました。結局、友だちと呼べる人はできずに卒業しました」
だが幼い頃から勉強は抜群にできた。同じ公立小学校に通う兄の学年が荒れているとみて、両親が兄に中学受験をさせると、それを見ていたぺろぴーさんは「私もやりたい」と志願した。成績は常に上位だった。
「大手中学受験塾に通っていたのですが、調子が良ければ全国順位でかなり上の方で名前が載ったりも経験しました。勉強は得意なほうだったと思います」
一方で、苦手な作業もあった。
「文章を読むのが苦手なんです。文字が頭に入ってこないというか、文字に跳ね返されてしまうような感覚があるんです。文章を読んでいるとき、目をどこに向けていいのかわからないんですよね。受験のための短い文章を読んで設問に答えるのは、苦手ですが、何とかなります。ただ、本をまる一冊読むという行為は私には無理なんです。だから小学校の図書の時間なども、いつも読んだふりをして返却していました」
中学受験を経て名門・桜蔭学園中学校へ入学をしたぺろぴーさんは、並み居る強豪のなかでも馬群に埋もれることなく高い学力を維持し続けた。
「中学校のときは、上位3分の1以内の位置はキープしていたのではないでしょうか。ただ、相変わらず友だちはできなくて、それが悩みの種でした。休み時間はいつもひとりで、本を読んでいました。といっても、実際には本が読めないので、読んでいるふりなのですが。あとは勉強をしているふりをしたり、寝ているふりをすることもありました。本当はみんなと仲良くしたいのに、それが叶わないつらさはありました」
友だちはできなかったが、勉強は抜群にできた
名門校でも「上位3分の1以内の位置はキープ」
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ