プロが厳選!このインディーゲームが凄い【海外編】
近年、少人数でゲーム開発を行う独立系のデベロッパーが手掛ける“インディーゲーム”が、世界で大きな盛り上がりを見せている。インディーゲームに詳しい3人の業界通、ゲームコラムニストの卯月鮎氏、ファミ通Appの目黒輔編集長、アプリの翻訳など通じて開発者と接する機会の多いIT&ゲームライターの長谷部善之氏に、市場を取り巻く環境や注目のタイトルなどを取材した。
◆プロが厳選!このインディーゲームが凄い~海外編~
<出資を受けず2年で作った美しき世界観/イギリス>
●TENGAMI
「自分たちの作りたいものを作る」という強い意志のもと、どこからも出資を受けず、およそ2年で制作されたアドベンチャー
『TENGAMI』は、名作コンシューマーゲームを多数発表している、レア社のメンバーが設立したNyamyamの作品。和紙を使用して制作された、飛び出す絵本風のビジュアルが特徴的だ。
「非常に丁寧に作られており、純和風の世界観と飛び出す絵本のようなギミックは日本人のみならず、世界の人を魅了。アプリでここまで表現できるのかと感動さえ覚えます」(目黒氏)
<世界で多くの賞を受賞。心温まるアドベンチャー/チェコ>
●Botanicula
インディペンデントゲームアワードでオーディオ優秀賞を受賞するなど、高評価を獲得。スマホ版は、Androidのみプレイ可能
チェコに拠点を置くゲームスタジオが手掛けたアドベンチャーゲーム『Botanicula』。
「ロボットが街を探索する同社の代表作『Machinarium』もアートワークが絶賛されましたが、『Botanicula』も森の表現が非常に美しく、一見の価値アリ。小さな森の生き物5体がちょこまかと活躍する様子は、チェコアニメを思わせる温かさがあります」と卯月氏が推薦。
<’14 年のインディー界を代表するおバカゲー/スウェーデン>
●Goat Simulator
開発者が自ら「別のものにお金を使うべきバカげたゲーム」と評する問題作。笑えるバグが、わざと残されているのも見どころ
ヤギを操作して街中にあるものを破壊する、ヤギシミュレーションゲーム『Goat Simulator』。卯月氏は「’14 年のインディーゲーム界を沸かせたタイトルといえば、やはりコレ。ヤギが走り回り、頭突きで人間や車をガンガン襲う様子は、爽快というか狂気というか脱力というか(苦笑)。バグを極力残すという、インディーの荒っぽさを逆手に取ったスタンスもいい」と語る。
<コンシューマでの配信も決まったヒットタイトル/台湾>
●Deemo
台湾のゲーム会社、Rayarkが開発したリズムゲーム。携帯ゲーム機のプレイステーションVitaへの移植が予定されている
『Deemo』は、実際にピアノを弾いているかのような気分が味わえるリズムゲーム。音楽だけでなく、ストーリー性のある幻想的なイラストが楽しめるのも魅力だ。
「『Deemo』は独特な世界観とシステム、音楽がウケてアジアを中心に絶大な支持を受けました。『ピアノが上手に弾けたら楽しいよね』というメッセージも感じられるので、楽器を弾く感覚で楽しんでください」(長谷部氏)
<キックスターターで出資を集めた超期待作/多国籍>
●Project Phoenix(仮題)
キックスターターの募集開始から、わずか9時間で当初の目標額(10万ドル)を達成した期待作。 ’15年中頃にリリース予定
世界の著名なゲームクリエーターが少人数のチームを組織し、キックスターターを利用して現在絶賛開発中のタイトル『Project Phoenix(仮題)』。
「ジャンルやプラットホームは公開されていますが、あまり情報が出ておらず、謎が多いです。とはいえ、『FF』シリーズで多くの曲を手掛けた植松伸夫氏の参加が発表されており、否が応にも期待が高まります」(長谷部氏)
【目黒輔氏】
スマホゲームの紹介や攻略、クリエイターのインタビューなどを行うファミ通Appの編集長。詳細は、http://app.famitsu.com/
【卯月鮎氏】
ゲームコラムニスト、書評家。雑誌、ウェブサイトなどの媒体でゲームのレビューを担当。著書に『はじめてのファミコン』
【長谷部善之氏】
iPhoneやAndroidなどのアプリを1万本以上所有しているIT&ゲームライター。英語が得意で、アプリの翻訳なども手掛ける
取材・文/黒田知道
― プロが厳選!このインディーゲームが凄い【2】 ―
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