開発者が死ぬ気で作っている!「インディーゲーム」の魅力
近年、少人数でゲーム開発を行う独立系のデベロッパーが手掛ける“インディーゲーム”が、世界で大きな盛り上がりを見せている。インディーゲームに詳しい3人の業界通に、市場を取り巻く環境や注目のタイトルなどを取材した。
◆著名なクリエーターも多数参加する注目のゲーム市場
’14年9月に開催された「東京ゲームショウ2014」で、ひときわ目立っていたインディーゲームコーナー。SCEJAがスペシャルスポンサーとなり、一般展示で出展されていたこのコーナーには、国内や海外から60を超えるインディーゲームメーカーが作品を出展し、前年を大きく上回った。
ライターの卯月鮎氏は、盛り上がりを見せるインディーゲームの魅力を「何が飛び出すかわからない、プレゼント箱を開けるときのようなワクワク感があります。ファミコン期もそうでしたが、明日にも過去にはなかった画期的なジャンルのゲームが生まれるかもしれない可能性の宝庫です」と語る。
小規模開発ゆえに、開発者とユーザーの距離が近く、作り手の熱を感じやすいのもインディーゲームならでは。ファミ通Appの目黒輔編集長は、「開発者の皆さんのゲームへかける情熱がすごい。ゲームへの愛はもちろん、ヒット作を生み出さないと会社が傾いちゃうので、まさに“死ぬ気”で作っています」とも。
また、スマホ向けRPG『テラバトル』をヒットさせた『FF』シリーズの生みの親・坂口博信氏のように、「著名なクリエーターがインディーゲーム業界に挑戦するケースは増加傾向にある」とは、アプリの翻訳など通じて開発者と接する機会の多い長谷部善之氏。
「昨今は著名クリエーターたちが集まり、少人数でプロジェクトを立ち上げるという試みも見られます」(長谷部氏)というだけに、クオリティが年々上がっているのもうなずける。昨今盛り上がるインディーゲームの厳選作をご覧あれ。
◆プロが厳選!このインディーゲームが凄い~日本編~
<1か月で20万DL達成のローグライクRPG>
●ドラゴンファング
2度の発売延期を乗り切ったローグライクRPG。目黒氏は、「情熱でゲームを作り上げた松田代表の熱さも魅力」とも
配信から1か月で20万ダウンロードを突破し、インディーゲームの成功例として注目される『ドラゴンファング』。目黒氏は、「スマホの限られた操作感で新感覚のダンジョン探索が楽しめるうえ、やり込み要素もあるゲーマー歓喜のタイトル」と評価した。
<元スクエニやカプコンのメンバーが開発に参加>
●カオスセンチュリオン
戦闘に横スクロールを採用した、リアルタイムストラテジー。ゲーム性はもちろん、緻密にデザインされたビジュアルも魅力
『カオスセンチュリオン』は、元スクエニやカプコンのメンバーが新設した気鋭の開発集団オリフラムが、現在開発中の注目タイトル。
「リアルタイムストラテジーというジャンルをスマホ向けにどう咀嚼して表現するのか、非常に期待しています」(目黒氏)
<20代の若者3人によるアイデア作品>
●生きろ!マンボウ!~3億匹の仲間はみな死んだ~
ドット絵で再現された味のあるマンボウを育成するゲーム。マンボウの死因集めというブラックな要素も口コミで広まる要因に
デリケートですぐに死ぬとされるマンボウを育てる育成ゲーム。
「死はゲームオーバーを意味しますが、このゲームは何度も死を経験しながら育成を継続するというアイデアが光る。20代の3人の若者が制作し、大ヒットさせたのも夢がありますね」(卯月氏)
<スマホとは思えない高い情報量が光る>
●イザナギオンライン
簡単操作で爽快なアクションが楽しめる。スマホでも遊べるが、長谷部氏曰く、「情報量が多いのでiPadでのプレイを推奨」
アサシンやウォリアーなど、特徴の異なるキャラクターを操作して戦うアクションMMORPG。
「『イザナギオンライン』をインディーズと称していいのかは不明ですが、そう悩むほど完成度が高い。戦闘はもちろん、スキルシステムも奥深いです」(長谷部氏)
⇒【海外編】に続く https://nikkan-spa.jp/769347
【目黒輔氏】
スマホゲームの紹介や攻略、クリエイターのインタビューなどを行うファミ通Appの編集長。詳細は、http://app.famitsu.com/
【卯月鮎氏】
ゲームコラムニスト、書評家。雑誌、ウェブサイトなどの媒体でゲームのレビューを担当。著書に『はじめてのファミコン』
【長谷部善之氏】
iPhoneやAndroidなどのアプリを1万本以上所有しているIT&ゲームライター。英語が得意で、アプリの翻訳なども手掛ける
― プロが厳選!このインディーゲームが凄い【1】 ―
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