更新日:2015年09月01日 10:37
デジタル

海外ゲームはこうして日本に上陸する!

飯塚康弘氏

飯塚康弘氏

世界中で注目されるゾンビゲームの新星『DEAD ISLAND』。その魅力をいち早く見出し、日本版のローカライズを手掛けたプロデューサー・飯塚康弘氏が仕事を語る! ◆現社長の一言でプロデューサーに! ゾンビアクション『DEAD ISLAND』の日本版のプロデュースを担当した飯塚です。週刊SPA!10/25発売号の誌面では、“ローカライズ”という仕事の内容がテーマだったので、日刊SPA!では僕がプロデューサーになったきっかけなどを話したいと思います。 ――なぜ、ゲーム業界に入ろうと思ったのでしょうか? 考えたのは、アメリカの大学へ留学していたとき。ちょうどその頃、日本では初代プレイステーションが発売されたのですが、アメリカでは未発売でした。それで僕はわざわざ日本からプレイステーションとソフト数本を持っていってアメリカの友達に自慢していたんです(笑)。そうしているうちに「やっぱりすごいな、ゲームって」と思って。日本で生まれたゲーム文化が世界に通用する。その光景を間近で見て、これはすごいことだぞと。 それで、日本に戻っていくつかのゲーム会社に願書を出して、一番最初に返答があったのがスパイクでした。一応、アートとかゲームプランニングの仕事を希望したのですが、当時の上司、今の社長に英語がしゃべれるプランナーは要らないと言われて(笑)。その代わり、君の能力を生かせる仕事があるよ、と。そこからローカライズをするプロデューサーという仕事が始まりました。 ――海外とのやり取りが大変そうですね 最初の頃は、海外のメーカーにつながりもなくて、いろいろと大変でしたが、今はそれなりに実績もあるので、逆に向こうからのオファーも増えました。けれど、やっぱり自分たちが見つけて、これは面白いと思って取りに行ったゲームのほうがいいですね。熱心に売り込みが来るというのは多分どこからも声がかからなかった、ということなので(笑)。 ◆いち早く声をかける これも武器のひとつ ――『DEAD ISLAND』はどのようなきっかけで持ち込んだのでしょうか? この作品は、GDC(1年に1度、世界中のゲーム開発者が集まるイベント)で、まだコンセプトだけ発表された段階から、コンタクトを取っていました。うちの会社は、それほど大きくないのでフットワークが軽いという側面があります。アンテナを張り巡らして、どこよりも先に「君のところのゲーム、面白そうだよね」と積極的に声をかける。これはひとつの武器ですね。 その後、『DEAD ISLAND』は進展がなく、どうなるか心配していたのですが、今年の春くらいにようやくプレイすることができました。そのときはもう衝撃的。南国の楽園に血みどろのゾンビ! これはいい意味で、ひどいねと(笑)。社内的にもぜひやりたいという声が強くて、大手さんも手を挙げたようですが、まあ、僕らが最初にコンタクトしたこともあってか、どうにかうちでやらしていただくことができました。 ――今後の目標を教えてください やっぱり海外ゲームが好きな方をもっと増やしていくことですね。それがローカライズを仕事にしている僕らの使命なのかなと思っています。 【飯塚康弘氏プロフィール】 スパイク所属の海外作品のプロデューサー。かつて携わった作品は『BIOSHOCK』『Dragon Age:Origins』など多数 ●楽園が突如、ゾンビパラダイスに! 生き残れるか! 『DEAD ISLAND』(PS3/Xbox 360)はただいま発売中。公式HPは、http://www.spike.co.jp/deadisland/ DEAD ISLAND01DEAD ISLAND02DEAD ISLAND03(C)Copyright 2011 and Published by Deep Silver,a division of Koch Media GmbH,Gewerbegebiet 1,6604 Höfen,Austria. Developed 2011, Techland Sp. Z o.o., Poland. (C)Copyright 2011, Chrome Engine, Techland Sp. z o.o. All rights reserved. 取材・文/卯月 鮎
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