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[30代からの友達作り]が必要なワケ

◆“生きやすさ”のために――。合理的戦略としての友達の必要性

阿部真大 友達は職場でも家族でもない、第三の居場所――承認を得る場のひとつ。その意義を社会学者の阿部真大氏はこう語る。

「地縁が薄れ、雇用は流動化。かつ、結婚も難しい、あるいは夫婦が必ずしも永遠とは言い切れなくなった今、友達や趣味など、第三の居場所の確保はリスク管理とも言えます。社会への不安感が“当たり前”のものになっている20代が仲間や地元を大事にするのもその表れでしょうね。また、職場や家庭の絆のあり方も変わってきています。それ以外のところにも軸足を持っておくことは、第一、第二の居場所――職場や家庭を潤滑に回していくのにも役立つ」

 阿部氏の言う居場所とは、「いのちづな」。困窮したときに助けてくれるかどうかは別にして、自分がどうあっても受け入れてくれる場所=友達をくもの巣状に張り巡らしておくことは、「“生きやすさ”のための合理的戦略」なのだ。

 しかし、30歳を過ぎての友達作りは、いざ行動に移すには難しく、なにより気恥ずかしい。

「特に僕も含め、35歳前後は目の前で恒久的居場所が崩された過渡期世代。これから新たに作ろうといっても正直、しんどい。でも、大都市ならば、田舎に残る地縁から離れてきた人が多く、もとより流動的で、基本、みんな寂しい。だから、逆に友達は作りやすいとも言える。もともと社会が流動的なアメリカと違って日本人はウィークタイズ(弱い繫がり)が苦手。でも、1回会って2回目飲んだら『ヘイ! ブラザー!』でいいじゃないですか(笑)。“居場所”は極めて主観的な概念ですが、友達もそう。こちらが友達だと思えば友達でいいんですよ」

【阿部真大氏】
’76年生まれ。社会学者。甲南大学専任講師。最新刊『居場所の社会学 生きづらさを超えて』では、社会的包摂の実践として、“居場所”づくりの実践を説いている

取材・文/田山奈津子 古澤誠一郎 牧 沙織 港乃ヨーコ 鈴木靖子(本誌) 撮影/山川修二・難波雄史(本誌)

― 30代になっても「親友は作れた!」実例集【8】 ―

居場所の社会学―生きづらさを超えて

こうすればみなもっと生きやすく、
居心地のいい社会になるはず――

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