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債務者と債権者が一転して“戦友”に!?

 仕事上での“いい付き合い”が、トラブルを経て絆を深めるなんてこともある。

「親友とか友達というより、“戦友”に近いですね」と語るのは、フリーエンジニアの藤井俊勝さん(35歳)。その戦友、斉藤誠さん(仮名)と出会ったのは3年前だった。

「彼はあるベンチャー企業の役員で、彼がリーダーを務めたプロジェクトに僕が参加。そのプロジェクトがひと波乱ふた波乱あって、それを乗り越えていくうちに自然と信頼関係はできていきました」

 しかし、そんななか、予期せぬ事態が起こる。そのベンチャー社長の杜撰な金銭管理が明らかになり、プロジェクトは暗礁に乗り上げ、藤井さんの報酬が未払い状態に。斉藤さんとの関係は良きパートナーから一転、債権者と債務者となってしまったのだ。

「親しいからといって、こちらもビジネスですから甘い顔はできません。彼は彼で、会社の代表として僕と交渉をしなくてはならない。最終的に、斉藤さんは社長から理不尽な仕打ちを受けて会社を辞め、そこで、『僕は本当は藤井さんの言い分が正しいと思っていた』と腹を割ってくれて。板挟みになってて、相当苦しかったんだなと」

 結局未払い金は回収できなかったものの二人の絆は強まった。

「斉藤さんは独立して、今は同じ業界のフリー同士で、仕事を協力し合ったり、酒の席では仕事観から家庭の話までする仲になりました。あの修羅場があったからこそ、今の関係があると思いますね」

 もう一人、藤井さんを支える友人がいる。自宅近くにあるバーのマスターは、「職種は違えど自営業同士ということもあり、お互いの悩みも遠慮なく話せる」間柄だ。

藤井俊勝さん

藤井さん(手前)と行きつけのバーのマスター。「お互い喋りたい派なんですが、自分が喋るために相手の話も聞くようにします(笑)」

 戦友の斉藤さんと、良き話し相手のマスター。“友達”のカテゴリーは違うが、ひとつ共通点がある。

「距離感というか、相手に踏み込むタイミングやあんばいが自分と似てる。そういう人だから友達になれるのかも。二人とも『この人がいなかったら?』と考えたとき、『それはない』と思える。それが僕の友達の基準ですね」


― 30代になっても「親友は作れた!」実例集【6】 ―

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