女3人に男が1人 ルームシェアが築いた“親友”以上の関係!?
◆時間と空間の共有が築いた“親友”以上の関係
藤木吾呂さん(34歳) フリーター
「安く住める」「人との繫がりができる」と人気のシェアハウス。5年前、知人に押し付けられる形で笹塚の一軒家を借り、シェアハウスを立ち上げた藤木吾呂さんも、今、共に暮らす3人の女性とは「親友以上の絆だ」と言う。が、「最初の1年は地獄だった」とか。
「その頃の住人の中に一人、自己中心的な人もいて。人のお酒を勝手に飲んだり、大声で電話をしたり。言葉を交わすのは注意するときだけで、完全に僕が悪者。その頃、僕はデパートの地下でアルバイトをしていて、残ったお弁当を持って帰って、みんなで食べたりもしていたんですが、そのうち、持ち帰るのが義務になってしまい……。僕は人付き合いができないダメ人間だと思っていました」
同居者は一人抜け、また一人抜けていく。欠員がでるとミクシィで募集をし、面接をする。入居OKの基準は「なんとなく」だというが、人が入れ替わるに従って、雰囲気も変わっていった。
今の住人の一人、春名希美代さんもミクシィを見て、都心への近さと光熱費込み3万円という安さに惹かれて応募。海外生活も長く、シェアハウスに馴染みはあって、「合わなきゃ、出ていけばいい」という気楽さで入居を決める。そして、春名さんの紹介で森田恵さんともう一人の女性が入居し、現メンバーとなった。
現在では、藤木さんの部屋で鍋をしたり、たこ焼きパーティをしたりは日常。森田さんが美術展に作品を応募すれば、それを見に行ったり、海外旅行に出た春名さんと、インドで合流、共に旅を楽しんだり。「家族の外での活躍を見てるようなうれしさがある」と藤木さん。春名さんと森田さんもまた、藤木さんには絶対的な信頼を置く。
「藤木君にはイラッ!ってできる。そして、それを我慢しないで、ストレートに言える」(春名さん)。
「ルームシェアのコツは、気にしすぎてもダメだし、期待しすぎてもダメ。これって、人付き合いの基本だと思うんですが、ここでは自然とそれができる」(森田さん)
ひとつの空間で、共に過ごした時間がこの関係を育てたと藤木さんは言う。が、彼が「笹塚ベース」と誇りを持って名付けたこの家も、実はあと2年ほどで取り壊される予定だという。
「そのときには僕が大きな4階建ての家を建てて、みんなで暮らす……っていうのは夢で、まあ、解散、でしょうね。でも彼女たちとは10年後に再会しても、まるで昨日まで会ってたみたいになれると思うんです。だから、大丈夫」
― 30代になっても「親友は作れた!」実例集【2】 ―
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