嫌な上司とのストレスで「6月病」に。毎朝、拒否反応で嗚咽が…
―[[6月病]が危ない]―
長い連休が明け、いざ本格始動、とわかっていても、どうにも気が乗らないまま、気がつけば1か月が過ぎてしまった。頭が重く、体の節々も痛む。周囲にボヤけば、「今さら5月病?」と一笑に付されてしまう。そんなあなたは「6月病」を発症している可能性がある。心身に疲れがたまりやすくなるだけでなく、祝日も一切ないとなれば、6月に不調を起こすのも不思議ではない。
◆連休が職場の人間関係の不具合を際立たせる
職場の上下関係は常にサラリーマンが抱える悩みの種だが、連休で嫌な上司に会わない時期があることが、逆に関係を悪化させてしまうのが6月病。以下はSEの田代誠さん(仮名・30歳)の例だ。
「いつもは受け流していた上司の理不尽な叱責も、体が疲れていたのかマジで受け取り大喧嘩に……。GWが明ける頃から会社に行くのがだんだん嫌になり、勤務外の時間でもメールや電話が来ると『会社からか?』と慌ててしまう。上司とはFacebookなどのSNSでも繋がっていて、ある日から目にするたび咳が止まらなくなり、毎朝仕事について考えただけで嗚咽するようになってしまいました……」
この手の困った上司は、どの会社にも一人や二人はいるが、なぜ、6月はこんなに体に拒否反応が出てしまうのか? 精神科医の春日武彦氏は次のように解説する。
「現代はSNS文化の発達により、仕事のオン・オフの区別がつけにくくなっていますが、そのなかでGWはゆっくり休める大きなチャンス。ただし、彼のように、それがむしろ反動となって拒否反応として体に出ることもあります。本人も自覚しているのがせめてもの救いですが、怖いのは知らず知らずに心身が追い込まれ、一気にドカン!と爆発することです」
◆同じ被害者を見つけ怒りや痛みを分散
では、6月病を少しでも回避するための、心の処方箋とは?
「単純なことですが、一度他人に話して頭の中を整理し、言語化することでハッキリさせましょう。上司や部下など、縦の関係には言いづらくても、横の同僚には言えるはず。会社には同じような上司の『被害者』がいるはずです。同じ苦しさを相手と共有することで、怒られてもストレスを分散でき、心のセーフティネットにもなります」(春日氏)
【春日武彦氏】
’51年、京都府生まれ。精神科医、作家。都立松沢病院部長、都立墨東病院精神科部長などを経て、現在も臨床に携わる。著書に『待つ力』(扶桑社刊)など
― [6月病]が危ない ―
『待つ力』 “待つこと”の効用と苦痛を洗い直し、その積極的な意味を取り戻す |
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