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親父ギャグ芸人・新宿カウボーイ「ダジャレは押し通したらどうにかなる」

新宿カウボーイ 昭和の漫才師のような、まっ赤なジャケットの薄毛の男・かねきよが連発するダジャレと一発ギャグに、メガネの石沢が冷静で的確なツッコミを入れ続ける独特のスタイルで人気急上昇中の新宿カウボーイ。芸人仲間や一部のお笑いマニアに絶大な支持を得ている人気コンビに、ブレイクのきっかけやダジャレギャグへのこだわりを聞いてみた。

――最近、よくテレビでお2人の姿を見かけるようになりましたが、ブレイクのきっかけはなんだったんですか?

石沢:やっぱり昨年の「とんねるずのみなさんのおかげでした」に出演したことで一気に名前が浸透した感じがありますよね。

かねきよ:最初は、「喫茶距離感」のコーナーに出たんですよね。あれから道で声をかけられる回数も一気に増えましたしね。

――とんねるずの2人に若手芸人のネタを見せながら、床を前後に動かされて、2人に近づくことを目指すっていうコーナーですよね。

石沢:一緒に出た他の4組がそれぞれのコンテストで優勝していたり、決勝戦に出ている人たちで、うちらだけなにも守るものがないから、今までやってきたすべてをぶつけようってやったら、親父ギャグをバンバン言うっていう、かねきよのキャラクターをとんねるずさんが爆笑してくれたんですよね。

新宿カウボーイ

かねきよ:テレビに出るとき「ある、ない」と「テイ・テイ・ツー」の2つのギャグはやるようにしています

かねきよ:「バカヤロウ、この野郎、若山富三郎!」って言うネタがあるんですよね。出る前に「バカヤロウ、この野郎、若山富三郎」はスベるから、私は、やらない方がいいと思ったんです。でも相方は、「バカヤロウ、この野郎、若山富三郎」を絶対やるべきだって言ったんですよね。で、結局、「バカヤロウ、この野郎、若山富三郎」を結局言ったらタカさんが喜んでくれて。やっぱり、バカヤロウ、この野郎……。

石沢:何回、言うんだよ! でも、その話は本当で、「せっかくだから普段やってることをやったほうがいいんじゃないの?」とは言ったんですよね。

かねきよ:そしたら、そのギャグがタカさんに喜んでもらえて。そのままギャグを見せあう「ギャグブルドン」のコーナーにも出させていただくことになったんです。

石沢:そういえば、こないだ漫才新人大賞のプレゼンターで木梨さんが来られたんですね。

かねきよ:それで声をかけてくださって。「また古い感じみたいなのやったの? どうだったの? あっ、あんまりウケなかったか。だろうね!」って(笑)。でも本当にとんねるずさんのおかげで仕事も増えて、最近、街で声をかけられることも多くなってきました。知らない男性が「ある、ない」のポーズをやってくれたりね。

――かねきよさんが、ダジャレっぽいギャグを入れていく漫才のスタイルはどのようにして生まれたんですか?

かねきよ:ダジャレは若いころからいつも思いついてたんです。でも私がデビューした17年くらい前って、センスで勝負してる芸人さんが多くて。

石沢:あと男前の芸人が流行る時代だったんですね。

かねきよ:どうみてもどちらも持ってないんですけど、なんとなくセンスで勝負してる感を出してたんです。だけどどうしてもダジャレが浮かんじゃうんですよね。

――ダジャレはその頃から思いついてたんですね。

かねきよ:そうですね。でも絶対ウケないからやめようって、最初はずっとダジャレネタは入れないようにしてやってました。

石沢:新宿カウボーイを組んだのが06年で。そこから5、6年は、いろいろやってきてうまくいかなくて。あと3年ぐらい面白いことをやってダメだったらやめようって思って。それが5年くらい前ですね。

かねきよ:で、ちょうどその年、正月に北海道の実家帰ったんです。そこで親戚のおじさんが、ずっとダジャレを言い続けていて、ぜんぜんウケないんですよ。20人ぐらい親戚が集まってるところで、もうほんとにずーとダジャレを言ってるんです。2時間ぐらいね。で、ずっと聞いてたら、だんだん面白くなってきちゃって。「あっ、ダジャレは押し通したらどうにかなるんじゃないか?」って、そのとき気づいたんです。それがきっかけですね。

石沢:それからダジャレを言うおじさんのネタを徹底的にやったら反応がよくって。

かねきよ:その年に北千住練馬っていうキャラのおじさんのコントをやりはじめたら、すぐレッドカーペットの姉妹番組のレッドシアターにひっかかって。

――親戚のおじさんから、ダジャレギャグを連発するスタイルにたどり着いたんですね。そのおじさんと同じで、ダジャレ好きって多いですが、なかなかウケるのは難しい。飲み会の席で場を凍らせてる読者も多いと思うんです。素人でもウケるダジャレを言うコツがあれば教えてもらえませんか? 

石沢:かねきよは、言ったあとに笑うよね。

かねきよ:わたくし、見た目がコレなんで、怖く見えちゃうんですよね。だから舞台では極力笑うようにしています。あとスベってる私が言うのもあれなんですけど、デカい声で言うっていうのは1つありますね。

石沢:照れないっていうのは大事ですね。

かねきよ:躊躇してしまうとまったくウケない。ちょっとかんじゃったときに「かんだ、かんだ、神田正輝!」ってギャグがあるんですけど、かんだことを笑ってる人の目をじっと見ながら言うようにしています(笑)。

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石沢:一部の熱心なファン(男性)に支えられてるって意識はありますね

石沢:あとダジャレってすべるんで、言ったあとに、ひと言があると違いますよね。「せっかくなんで笑ってください」とか、「面白いところは探してください」とか、普段のライブだとダジャレを言ってからひと言フォローを入れてるんですよね。あとギャグと一緒に「これが最先端の笑いですよ~」「どこがだよ!」まで含めて、笑いをとるってパターンもありますね。

かねきよ:でも私たちは漫才協会に入ってまして、浅草でもよくライブをやってるんですね。そっちだと、ダジャレを言ったところですでにウケるんですよね。そのあと「これが最先端の笑いですよ」「へえ~、これが最先端の笑いなのか~」ってお年寄りがみなさん感心しちゃって(笑)。

石沢:つかみのギャグも大事ですよね。あれがあるから、キャラクターを印象づけることができるんですよね。まず出会い頭にダジャレを言う人って認識させると言いやすくなる。

かねきよ:今は「こんばんわんこそば!」っていうのを、よくやってるんですけど、最初は「今晩ワッフルパーティー!」っていうのを考えて、語尾も上がるし、リズムもいい感じだなって使ってたんですけど、ダジャレにプラスして「ワッフルパーティーってなんなんだ?」っていう疑問が生まれちゃうんですよね(笑)。

――太田プロの先輩たちにもすごくかわいがられてるんですよね。

かねきよ:上島(竜兵)さん、肥後(克広)さん、土田(晃之)さんにはよく連れて行ってもらってますね。上島さんには1日おきに連れて行ってもらってたこともありました。

石沢:異常に気に入られるよね。事務所の先輩以外の漫才協会の師匠方にも気に入られてますし。何がいいのか僕にはわからないんですけど。

かねきよ:プライベートでもギャグはよくやってるんですよね。飲み屋でも先輩方にいつも振ってもらってます。上島さんは、「ある、ない」をいつも振ってくれるんですね。「ある、ない、ある、ない、ピー、ピピピピ、力道山!」「どっちだよ!」っていうのを、誰も見てないのによくやってます。2人っきりで(笑)。

土田さんは、オッケーのハンドサインを出してもらって、おっ、土田さんにオッケーいただきましたよ!「…0点!」とぉーっ!っていうギャグを気に入っていつも振っていただいてるんですけど、昨日土田さんに久しぶりに会ったら「もう飽きた」って真顔で言われちゃいましたね(笑)。

新宿カウボーイ石沢:でも先輩と一緒にいることでギャグができることもあるよね。

かねきよ:プライベートでノリでやってみて、ウケたらそのままメモっておいて相方に見せるんですよね。それでOKだったら舞台でやってみる。それでウケなければ、いったん寝かす。

石沢:「ある、ない」ネタも2年ぐらい寝かしました。

かねきよ:「ある、ない」も最初はまったくウケなくて。数年後にライブのエンディングで、告知ありますか?って振られたときに、やってみたらウケるようになってきて。

石沢:1回披露してウケなかったら、そのまま寝かせて、ふと気づいたときにやってみる。

かねきよ:そしたらウケるものもあるんです。不思議なことに(笑)。

石沢:タイミングって大事だと思います。

かねきよ:でも「おまえ帰れ!」って言われて、帰らずに、自分のおっぱいをもむっていうギャグがあるんですけど、これは、1回やってスベったから寝かせて、3年後にやったんですけどまたウケなくて、今もまだ寝かせてます(笑)。

石沢:寝かせ続けてるギャグも結構あります。

かねきよ:いつかウケるかも知れない!って思って。私のギャグはワインみたいなもんですね(笑)。

石沢:今度やるトークライブでは、そんな幻のギャグも見ることができるかもしれないので、ぜひ見に来てください!〈取材・文/河上 拓〉

新宿カウボーイ【新宿カウボーイ(しんじゅくかうぼーい)】
かねきよ勝則(78年3月18日、北海道生まれ。37歳。ボケ担当)と石沢勤(80年6月9日、新潟県生まれ。35歳。ツッコミ担当)による漫才コンビ。06年結成。漫才協会に所属している。

7月14日(火)東京Yotsuya Entrance Noahにて4年ぶりとなるトークライブ「おはなし」の開催が決定。チケットは太田プロファンクラブにて予約受付中。

日時:2015年7月14日(火)19:15開場 19:30開演 21:00終演
会場:東京・Theater Noah(Yotsuya Entrance Noah)
料金:1000円(整理番号順、自由席)
問合せ:太田プロファンクラブ 03-3359-6263(平日12:00~18:00)




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