PCが故障した…「買い替え/修理」損得のライン
「昨日まで動いていたのに…」ある日突然やってくるパソコンの故障。うっかりコーヒーなどの飲み物をこぼしたり、日頃持ち歩くノートPCは落下による破損の危険も。そこで迷うのが、修理に出すべきか、新しいパソコンに買い換えるべきかだ。どちらが安くすむのか、故障別による「損得ラインの基準」を探った。
PCに多く見られるトラブルのひとつが電源不良。なかでも、一体型デスクトップやノートPCは高額な修理費用がかかることも。
「ACアダプタの故障でなければ、原因はMB(マザーボード)です。修理可能な場合は2万5000円前後で済みますが、交換する場合は5万~6万円と、値段は倍以上に跳ね上がります」(PCサポーターズの蒲原竹二郎氏)
修理費を大きく左右するMBで注目するべきは、基板の焦げだ。
「ヒューズやコンデンサなど、MB上に載っている素子が原因の場合は、その部品だけピンポイントで替えることができるので修理が可能です。しかし、基板が焦げている場合は、MBそのものを交換せざるを得ないので、高額になってしまうんです」
電源不良でも、MB基板の焦げが原因なら、買い替えが得だろう。
パネル割れやバックライトの故障といった液晶の破損。見た目にはダメージが大きく、買い替えたほうがお得な気もするが……。
「PCが薄型化するにつれて液晶のパネル割れはかなり増えました。ノートPCの場合、弊社では修理すると2万5000円前後ですね。一体型PCの場合は3万~4万円かかりますが、本体の値段を考えると、修理するほうが得かもしれません。というのも、液晶パネルの破損は使用者責任になるので、メーカーの保証対象外になることが多いんです。買った時期にもよりますが、これらの値段がひとつの目安になると思います。バックライトも、LED液晶の場合はパネルごと交換するので同額程度です」(蒲原氏)
バックライトを交換しても、インバータやマザーグラスが劣化する可能性のある旧型のPC以外は、総じて修理がお得なようだ。
ネット上にフリーソフトや救出方法が出回り、なんだか敷居の低そうなHDDサルベージ。しかし、蒲原氏は「個人でデータ救出ができるのはごく一部のケースだけ」と語る。
「HDDの故障は軽度・重度の論理障害と物理障害、4つに分けられます。そのなかで、個人がソフトを使って救出できるのは誤って消したデータを救出するような軽度の論理障害まで。OSが正常に動いている状態での救出ですね。起動途中にブルースクリーンになる、電源が落ちてしまうなど、重度の論理障害では、チェックディスクの使用すら危険です。というのもHDD内のヘッドやプラッターは磁力で働いているので、負荷をかけ続けると部品自体が故障してしまう。すると今度は重度の物理障害という扱いになるんです」
ちなみに重度の物理障害の修理費用は数十万円が相場だそうだ。
【PCサポーターズ】
ノート・デスクトップ・一体型、すべてのパソコン修理に対応。パーツの修理、データ復旧、ネットワーク構築、Web制作なども行う(http://www.p-supo.com/)
取材・文/SPA!編集部
― iPhone&PC「買い替え/修理」損得ライン ―
MB基板の焦げ
液晶の破損
個人で救出は危険大「HDDサルベージ」
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