更新日:2022年06月26日 10:27
スポーツ

日本人で唯一、ワールドカップ優勝を成し遂げた男“スラックライン”大杉徹

「感動をありがとう!」なんて言葉はお約束すぎるが、世界で活躍する日本人を見ると励みになるのは否めない。まだまだ知られていないがユニークで驚異的な世界一の日本人を紹介する

日本人で唯一、ワールドカップ優勝を成し遂げた!スラックライン大杉徹氏

大杉 徹氏

バウンス系の技では高さもポイント。

 空中に張られた幅5㎝のラインの上で巧みにバランスを取りながら大技を繰り出す――。“スラックライン”という競技で、大杉徹氏は’13年、日本人で唯一のワールドカップ覇者となった。 「8年前にテレビで見かけて始めたんです。当時はスラックラインをやっている人なんてほとんどいない。教えてくれる人もいないので、友達と2人で何度も落ちて怪我をしながら練習しました」  もちろん自己流、誰に見せるわけでもなく、友人と河川敷で楽しんでいるだけだった。転機になったのは、YouTube上でオンラインコンテンストが開催されているのを発見したことだ。
大杉 徹氏

大杉 徹氏

「海外のプロライダーが“お題”として技を披露する。それをクリアすると次のお題、さらにクリアすると次……と、どんどん難しくなるお題の技にチャレンジしていく。それで優勝することができ、そこから本格的に競技大会などにも参加するようになりました」  ’11年に初めて国際大会に出場し、その2年後には見事世界チャンピオンに輝く。 「空中での体のひねり、回転など難易度が高いほど得点が高くなります。2分間の競技時間内にどんな技を見せるか、その組み立てを考えるのがカギ。もちろん技は全部自分で考えました」  大杉氏が編み出した技の数々は、世界のライダーの手本になっている。ただ、「今後は大会以外の活動にも力を入れたい」と話す。 「スラックラインの魅力って、技だけじゃないんです。高い所にラインを張ってそこを歩くハイライン、長い距離を歩くロングライン、さらにラインの上でいろんなポーズでバランスを取ったり……。なかなか奥が深いんですよ。僕はそのすべてを極めたい。そしてもっとたくさんの人にスラックラインの面白さを知ってほしいですね」 ⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1034150
大杉 徹氏

ライン上で宙返りをするフリップ系の技

 今は地元・岡山を拠点にイベントなどで技を披露したり、子供たちにスラックラインを教えたりする日々を過ごす。練習場所は最初と変わらない、地元の河川敷だ。 ― [世界一な日本人]を探してみた ―
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