更新日:2022年06月26日 10:27
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“四足走行”の世界一・いとうけんいち「’20年の東京オリンピック陸上短距離走優勝が夢です」

「感動をありがとう!」なんて言葉はお約束すぎるが、世界で活躍する日本人を見ると励みになるのは否めない。まだまだ知られていないがユニークで驚異的な世界一の日本人を紹介する

四足走行を世界で初めて競技化&最速記録保持! いとうけんいち氏

 生物学的には、直立二足歩行ができるのはヒトだけである。その進化に逆らうかの如く、四足“走行”をする男がいる。家では常に四足で活動、練習は毎日6時間という並外れたトレーニングを重ねているのが、いとうけんいち氏だ。
「15歳からお笑い芸人をしていたのですが、“なにか自分だけの武器が欲しい――”。そんな漠然とした思いで、19歳でNYに行ったんです。パントマイムやブレイクダンスなど、いろいろ挑戦しましたが、どれもピンとこず。サルが好きで気分転換に動物園に行ったとき、パタスモンキーというサルと出合ったのがきっかけでした」
いとうけんいち氏

一度記録を抜かれたものの、’15年11月にギネス世界記録を奪還。毎年1秒ずつ記録更新している

 サル界で一番速く走れるといわれるパタスモンキーに憧れ、目標を四足走行のギネス世界記録に定め、21歳で帰国。その後5年間は、アルバイト後に深夜の公園で四足走行の練習をして始発で家に帰る生活を続けた。当初は外でも四足走行をし、一日に5回も職務質問されることもあったとか。 「都会だと迷惑をかけるので、一度地方の山に合宿に行ったんです。そのときには猟師さんにイノシシに間違われて撃ち殺されそうになったことも……(笑)。いろいろありましたが、これまで自分が残してきたものはやっぱり四足走行だけ。未開拓の分野だから、研究しながらやるのが面白いですね」  ’08年に100m18.56秒という記録を打ち出し、「四足最速の人類」としてギネス世界記録に認定。現在のベストタイムは昨年11月に自身が主催する記録会でマークした15.71秒だ。
いとうけんいち氏

四足走行を12年間続けてきたいとう氏の手のひらは、角質化して硬かった

「今は’20年の東京オリンピック陸上短距離走優勝が夢です。毎年1秒ずつ記録更新できているので、可能性がまったくないわけではないと思います。家族も応援してくれていて、父は自宅で健康づくりのために四足走行をやっているんですよ。アメリカの研究では、二足よりも、四足のほうが4倍体力を使っているというデータもあります。自宅を2~3周走るだけでもいい運動になると思いますよ!」 ― [世界一な日本人]を探してみた ―
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