ロシアの軍事情報やプーチン後継を予測…政治分析で使われる「クレムリノロジー」って何?
厳格な秘密主義を貫いていた旧共産圏。そのなかで軍事や共産党内部の情報を探るのはなかなか至難を極めたとか。そこで使われていた分析手法が“クレムリノロジー”だ。
「軍事パレードでの並び順や新聞報道でのちょっとした情報を基に政治状況がどうなっているのかを調査するんです。有名なのはブレジネフの葬儀です。葬儀委員会の名簿が出てきて、初めて結婚して奥さんがいることなどもわかりました。クレムリンの内部を探る“クレムリン学”がクレムリノロジーです」
と話すのは軍事ジャーナリストの小泉悠氏。ロシア・旧ソ連圏の軍事や安全保障を専門としている。
「クレムリノロジーは何も過去の話ではありません。例えば、こんな事例もあります。5月9日はロシアにとって対ドイツの戦勝記念日で毎年、この日に記念式典と軍事パレードが行われるのですが昨年、国防大臣のセルゲイ・ショイグ氏が“十字を切って”入場したんです。ショイグ氏はロシア国内でも人気が高く『次の大統領』とも噂される人物。ですが、アジア系トゥバ人の出身で仏教徒なのがネックと見られていました。今回の行動は改宗をしてネガティブなイメージを払拭するもの。国家への忠誠を誓ったとも見て取れます」
プーチン氏の後継に誰がなるのかもこういった所作で予測がつくというわけだ。
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