更新日:2022年06月29日 10:30
ライフ

元AV女優の社会学者・鈴木涼美が語る「AV女優という肩書の破壊力」

「元AV女優という肩書は、諸刃の剣」と語るのは、自身もAV女優としておよそ70本以上の作品に出演した過去を持つ、社会学者の鈴木涼美氏。女優引退後は日本経済新聞の記者に転身し、現在は社会学者であり文筆家という異色の経歴の持ち主だ。
鈴木涼美氏

鈴木涼美氏

「一昔前は元AV女優というと、『引退後は風俗に流されるか、AV女優であったことを隠し続けて日陰の存在を余儀なくされる』というようなマイナスのイメージが強くありました。 でも今は、女優さんも“普通の女のコ”が圧倒的に多いし、ファッション誌やメディアへの露出も増えたことで、昔に比べてダークなイメージも薄れてきた。 その結果、女優さんたちが引退後に選択できる職業の幅も広がって、選ぶ職業によっては“元AV女優”という肩書が、武器や強みとして生かせる場所が増えているんです」  しかしマイナスイメージが払しょくされつつあるとはいえ、万人に受け入れられるわけではない。 「ネガティブイメージが強いからこそ肩書に破壊力がある。私も週刊誌に過去を暴露されたときは親に迷惑をかけたり、元勤務先からも『日経のブランドに傷をつけた』など、やっぱりいろいろ言われました。 世間の反応が緩くなってきたからといって、その肩書はただ有名になれたり、人よりも目立つことができるような“万能なパス”じゃない。『良くも悪くも元AV女優というレッテルは一生ついて回るんだ』という自覚が必要です」
次のページ right-delta
鎖のように行動を制限してくる元AV女優という肩書
1
2
おじさんメモリアル

著者が出会った哀しき男たちの欲望とニッポンの20年


身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論

「お乳は生きるための筋肉」と語る夜のおねえさんの超恋愛論


「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか

慶応大学環境情報学部卒。東京大学大学院学際情報学府修了。本書がデビュー作。

おすすめ記事