元AV女優の社会学者・鈴木涼美が語る「AV女優という肩書の破壊力」
「元AV女優という肩書は、諸刃の剣」と語るのは、自身もAV女優としておよそ70本以上の作品に出演した過去を持つ、社会学者の鈴木涼美氏。女優引退後は日本経済新聞の記者に転身し、現在は社会学者であり文筆家という異色の経歴の持ち主だ。
「一昔前は元AV女優というと、『引退後は風俗に流されるか、AV女優であったことを隠し続けて日陰の存在を余儀なくされる』というようなマイナスのイメージが強くありました。
でも今は、女優さんも“普通の女のコ”が圧倒的に多いし、ファッション誌やメディアへの露出も増えたことで、昔に比べてダークなイメージも薄れてきた。
その結果、女優さんたちが引退後に選択できる職業の幅も広がって、選ぶ職業によっては“元AV女優”という肩書が、武器や強みとして生かせる場所が増えているんです」
しかしマイナスイメージが払しょくされつつあるとはいえ、万人に受け入れられるわけではない。
「ネガティブイメージが強いからこそ肩書に破壊力がある。私も週刊誌に過去を暴露されたときは親に迷惑をかけたり、元勤務先からも『日経のブランドに傷をつけた』など、やっぱりいろいろ言われました。
世間の反応が緩くなってきたからといって、その肩書はただ有名になれたり、人よりも目立つことができるような“万能なパス”じゃない。『良くも悪くも元AV女優というレッテルは一生ついて回るんだ』という自覚が必要です」
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