職場で「イラつく瞬間」ランキング――新人が電話に出ない、エレベーターの閉ボタンを押さない…
年を重ねれば丸くなり、心穏やかに過ごせるものだと思っていたら、どうやらそうもいかないらしい。30・40代のサラリーマン200人へのアンケートでは半数以上がイラつく頻度の増加を実感していた。その怒りへの対処法をプロに直撃してみた。
「喜怒哀楽」と言うが、現代社会においてもっとも頻度の高い感情が「怒り」だろう。アンケートによると、過半数が一日に2~3回以上、約1割は10回以上も“イライラ”に襲われている。しかも、約6割が「年を重ねるごとにイライラが増す」という結果も。心理カウンセラーの大嶋信頼氏は、そのメカニズムをこう解説する。
「“怒り”とは防衛本能から生じる感情です。イライラ指数が最大だった『トイレにはいったら、うんこが流れてなかった』も本能からくる怒りですよね。ただ、この防衛本能の発展形として、“自分がコントロールできない事象”へも怒りが湧きます。『思い通りにいかない=将来的に自分を脅かすリスク』となるからです」
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リスクという観点から考えると、「日常生活でイライラすることの多い対象は?」という質問に対して、上司・部下・他人に数字が集中し、家族や友人は対象外なのも納得。特に、働き盛りのサラリーマンにとって、「職場」はもっともイライラに遭遇しやすいシーンだ。アンガーマネジメントの第一人者として企業で研修を行う安藤俊介氏は、SPA!世代を取り巻く環境をこう分析。
「バブル世代の上司、ゆとり世代の部下と価値観の異なる上司と部下に挟まれ、それぞれが仕事に対する考えを共有しづらい。特に20代後半以下と大きな断絶があり、互いにイライラしがちです」
「新人が電話を取ろうとしない」(108人)、「新人が雑用をやらない」(104人)などは典型的だろう。また、コラムニストの石原壮一郎氏は「行きすぎた効率化の反動がイライラを生む」と指摘。
「本来、いろんなペースの人がいるのに、効率至上主義があたかも正義となり、些細な無駄に神経を尖らせるようになっている。『もっと効率的に動けよ!』と思っていても、それは所詮、自分の基準でしかないと自覚すべきでしょう」
「エレベーターを閉めない」(80人)、「長電話」(70人)なども、相手にとってはそれがマイペース。
「すべてに対して『絶対に許せない!』と怒っていると、エネルギーを浪費して、自分の生産性も落ちる。イライラしても『まあ、許せる』という許容範囲を広げていけば、仕事の生産性も人間関係も改善していきますよ」(安藤氏)
価値観の断絶と効率化が不機嫌なオフィスをつくる
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